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ダートと鹿

早朝、日が昇ったと同時に目が覚めた。車で寝ていると必ず日の出とともに目が覚める。まあ暗くなったら止まって寝るようにしているからそれもあるが、もうひとつの理由は、かなり寒い!のだ。日の出前の一番寒い時に目がほとんど覚めてしまい、明るくなってもう寝られなくなるのだ。鼻をぐしゅぐしゅさせながら、それでも高い良い方の寝袋を買ってよかったな、と思った。安い方だったらもっと寒かったにちがいない!また昨日の夜行ったコンビニまで戻って温かいお茶とおにぎりを買い、どこに行こうか地図を広げる。

まず、士幌から241号線で右上へ、阿寒湖に行ってみることにした。士幌の町は案外すぐに抜けてしまい、山道になる。足寄国道という山の中の241号線を走る。朝だし、山だし、自分が走っている音だけで、とても静かだ。

初ダート

ふと、道沿いにオンネトー湖という看板が出ていた。なにせものすごい朝早く起きてそのまま出発してきているので、まだまだ時間がある。このままだと阿寒湖にもすぐ着いてしまいそうだし、ちょっと寄ってみることにした。看板の案内に従って241号線からちょっと右折する。一層細い道になり、そこをしばらく走っていくと、途中からダートになった。地図ではこのダートが終わった所に湖がある。5kg続くこのダートが、私にはすごくおもしろかった。なんだかこう、走ってるー!って感じがする。もちろんスピードはそんなに出せないけど、ガタガタ揺れながら山の中を走るのは爽快だ。

すると、ダートの向こうに脇から鹿がピョンと出てきて道の真ん中に立ち止まった。私はあわててブレーキを踏んだ。まだ結構離れているけれど、止まっているのにこしたことはない。どこかの道の駅のパンフレットに、道で動物に会ったら、脅かさないように止まってエンジンを切りましょう、と書いてあったのを思い出してエンジンを切った。途端にあたりがシーン・・・となった。ものすごい静かで、私は開けたままの窓から立ち止っている鹿を眺めた。鹿もこっちをずーっと見ている。私はちっとも急いでいない。鹿が通りすぎるなり、そのままいるなり、待つことにした。何分くらい待ったのか、動かず私を凝視していた鹿が「コイツ、平気かな?」と思ったかどうかはわからないけれど、自分が出てきた方に首を向けた。すると、そこから小さな子鹿がヒョコヒョコと出てきたのだ!思わずわあ~!と言いたくなるのをぐっとこらえた。なるほど、親子だったのだ。道を渡ろうとしたらこんな朝早くに走ってる酔狂な車がいたのでじっと様子を見ていたのだ。その親子鹿はすぐに向こう側の森に入って行って、見えなくなった。少しして私はエンジンをかけてまた走り出した。

オンネトー湖

ダートを抜けたらすぐに湖だった。湖の周りにはもうすでに2台くらい車が停めてある。早起きなのは私だけではないらしい。私も小さなパーキングに車を停めて外に出た。空気がとても冷たい。湖のふちまで降りて行ってみると、水の色が嘘みたいに鮮やかで青と言うかエメラルドグリーンというか、何か絵の具を混ぜたみたいな色だった。そこに周りの木々と山とが写ってとても不思議な景色だ。私は大きな石を見つけてその上に座ってしばらく景色を眺めて空気を吸った。向こう側には男の人がいる。さっきのパーキングの車の人だろうか。向こうも一人旅みたいだ。これが都内だったら怖いのかもしれないけど、北海道ではわりと怖くないのも不思議だ。しばらく景色と色を堪能した後、私は車に戻って阿寒湖に向けて出発した。

アイヌコタン

オンネトー湖から阿寒湖まではそんなに遠くなかった。阿寒湖畔にあるアイヌコタンのパーキングに車を停めた。アイヌコタンは最初から見てみたかった場所のひとつだ。両脇にずらっと民芸品店が並んでいる。今日は曇りでちょっと霧雨が降ってきていて、暗くて寒い。いつもはただ走っているけど、こういう日はこんなお店をゆっくり見てみるのがいいかもしれない。

一軒ずつお店に入り、お店のおばちゃんと話をしたりしながらまた次の店に入る。パーキングは上の方で、階段の両側に店が並び、そこを降りながら行くと湖に出るようになっていた。店に入っては階段を降りて、また店に入る。買い物なんて、コンビニで食べ物と飲み物くらいだったから、こういうかわいいものや綺麗なものを見るだけで楽しい。掲示板には「アイヌシンガー 北海ピリカ ライブ」というポスターが貼ってある。確かピリカというのはアイヌ語で「美しい」という意味だったな、なんて思いながら大きな熊の剥製が立っているお土産屋さんに入った。中で木彫りのお土産を見ていると、店番のお兄さんが「買ったお土産に、すぐに名前を彫って入れられますよ。」と言ってくれた。ふうん、そんなサービスがあるんだ、と思いながら見ると、そのお兄さんは自分でせっせと木を彫って何かを作っている最中だった。店番をしながら実際にお土産を彫って作ってるんだ・・・。すっかり作業台として道具と木片が置いてあるそのカウンターと、一所懸命彫っているお兄さんをちょっと見せてもらうことにした。私は高校生の頃、美大受験のために美術の予備校に通っていたので、やっぱり好きで気になってしまう。足を止めて見ている私に気づいて、彼は手を止めた。「こういうの興味ある?」

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「旅~北海道編~」カテゴリの記事

コメント

ヒロコちゃんの文章、やっぱり面白いわ。
最後に必ず続きが気になる切り方をするから、「それからど~なったのぉ???」って気になるのよねぇ。

投稿: Naomi | 2006年9月10日 (日) 07時47分

へへ、ありがとう~!
でも、昨日はもう限界で眠くて切って寝ちゃったの~。
またちょびちょび書きます~。

投稿: ヒロコ | 2006年9月10日 (日) 23時08分

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