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ランプから鈴木食堂へ

雑魚寝した後目が覚めると、久しぶりに平らに寝たせいかとてもすっきりしていた。起きて支度をしているとみんなも起きてきてわさわさし始めた。同じ部屋で寝た4人組が近所の市場で朝ごはんを食べるというので、一緒に行ってみることにした。私はそのまま出発できるように全部荷物を積んで、ティナ坊で市場へ向かう。市場はランプからすぐだった。

中には所狭しと魚介類が並べられていて、どれもすごく安い!なかでも海鮮丼というメニューは、始めに丼めしをもらい、それを持ってあちこちまわって好きな具を乗っけていくというものだった。みんなもちろんこの海鮮丼にして、それぞれ具を求めて散らばった。私も海老やらイクラやら、大好きな生ものをこれでもかと乗っけてもらった。みんなで同じテーブルで食べたが、周りを見回してみても、ライダーばっかりが食べている。ライダーは一目見てわかる。しかし、イクラがおいしい~!なんて豪華な朝ごはんだー!

羅臼

みんなと写真を撮って別れた後、私は羅臼に向かうことにした。網走から近いし、羅臼には地図で見ても温泉のマークがいっぱい書いてある。温泉がたくさんあるらしいし、聞いた話では川の途中が温泉になっていて、そのまま入れるらしいのだ。そんなあったかい川にはぜひ入ってみたい。

334号線を知床半島に向かって走って行くと羅臼の手前にオシンコシンの滝というのがある。ここに向かっていたのだが、なんだかどんどん雨がひどくなってきた。寒いし暗いし走りにくい。運転していてもやっぱり雨で疲れが倍増するのだ。オシンコシンの滝のふもとというパーキングに着いたけど、観光客の車が結構いてちょっと考えてしまった。混んでいるけど雨だし、滝まではここに車を停めて歩いて行かなければならない。結構濡れるだろうし、体力も使いそう・・・。ちょっと車の中で考えた。よし、ここはあきらめよう!そしてもっと前に進もう。地図を見て、ここから根室半島に向かうことにした。根室半島にはフェリーライダーの言ってた鈴木食堂がある。今日は鈴木食堂まで行って、そこで泊まろう。

目指せ鈴木食堂

ティナ坊をUターンさせて、根室へ向けて244号線へ。海沿いを下に下りて行く。海沿いには漁業関係の建物ばかりで、あちこちに「若者歓迎アルバイト募集中」という手書きの看板が立っている。猟師のバイトなのかなあ・・・なんて思いながら雨の中を走る。知床半島から根室半島は地図の上で見ると近くに見えてすぐに着くかと思っていたが、なかなか走り進むことができなかった。雨もあってそんなにスピードも出せないし、とにかくゆっくり進むしかない。でも天気のせいもあって暗くなるのが早くて段々心細くなってきた。どうしよう、あのライダーはたどり着きさえすれば、ライダーハウスがあるから泊まれると言っていたけど、もしやってなかったら疲れて半島の先になんか到着して寝られる場所があるかなあ・・・。考えていても仕方ないので、電話してみることにした。

「もしもし・・・」

「はい、鈴木です。」おばさんの声だ。

「あ、あのライダーハウスやってるって聞いたんですけど、今日泊まれますか?」

「今どこ?」

「え?今ですか?えっと、44号線を走ってるんですけど。」

「あのね、もう店閉める時間だから、あたしは家に帰るんだけど、それくらい近くに来てるんなら待っててあげるから早く来な。」

「ええ~!帰っちゃうんですか?そんな、あ、車なんですけど停められますか?」

「あ、車なの?ああ、停められるよ。だから待っててあげるから早くおいで。」

ぎゃ~~!私は俄然焦った。それにしても電話してよかったのだ。電話していなかったらおばさんはさっさと家に帰ってしまったにちがいない。危なかった。ライダーハウスといえども予約って大事なのね~!私は必死に走り始めた。あたりはもう真っ暗だ。

鈴木食堂

ずいぶん走ってやっと半島の突端に出た。結構さみしい所だ。一体鈴木食堂ってどこ?私はもう一度電話した。

「ああ、着いた?今ちょうどもう一人来たとこだよ。そこから右に曲がってすぐだから。」おばさんに教えてもらったとおり曲がると鈴木食堂の看板があった!戸口からおばさんが出てきた。

「ああ、着いたね。こっちに停めな。」食堂の隣に小さいプレハブがあって、そこがライダーハウスらしかった。バイクが一台停めてあって、私はその横にティナ坊を停めた。プレハブから男の子が顔を出した。

「じゃあ、あたしたちはこれで帰るからね。後、さっき電話かかってきてもう一人こっちに向かってるから、その子が来たら入れてあげてよ。朝また戻ってくるから。後、ストーブ点けてあるから、気をつけてよ。」

「え?ストーブ?そんなに寒いの?」

「いらないなら、いいんだよ、消していこうか?」おばさんは笑って言った。

「ややや、点けてってください~。」

「ははは。じゃあね、明日の朝来るから、誰か来たら入れてあげるんだよ。」

「はーい。」私は寝袋と荷物を持ってプレハブの中に入った。外は風が強くて雨も降ってて確かに寒い。とても9月なんて思えない。中はもうストーブのおかげで暖まっていて、私はため息が出た。荷物を放り出してとりあえずその場に座りこんだ。

「はあ~~~着いた~~~よかったあ~。」

するとライダーも「俺も今着いたんだ~。」と人なつっこく言った。「もう~雨だとやだよ~。いいなあ車は雨でも平気で。」

「そうだよねえ~バイクは雨大変だよねえ~・・・。」

「雨もそうだけど、ずっとひとりってのがつまんないんだよね。話す相手もいないし。車は音楽とかラジオとか聞けるじゃん。」

「それはあるね。私CDで歌いっぱなしだよ。」

「俺もさあ、ずっと頭の中で歌歌ってたんだけど、もうダメだ。知ってる歌全部歌いきってレパートリーがつきた。」

「あはは~。」話をしながら私は寝袋を広げて支度を始めた。話した感じでは彼は結構若そうだ。

「今日はどういうルートで走ってきたの?」

「あのねえ、網走のランプってライダーハウスから出発して羅臼に行って、こっちに降りてきたの。」

「えっランプ!俺も昨日ランプに泊まったよ!」

「えっ!?いた?」あ、そうか、あっちのライダーが雑魚寝してた方にいたんだ。「あ~私民宿みたいな、もう一軒のおじさんのいる方に泊まったんだ。」

「そっか、じゃあほとんど同じルートで来たんだな。あれ?もしかして、あの黒い車Uターンしたよね?俺見覚えがあるかも。」

「え・・・。」そう言われて私も思い出した。今日Uターンした時に黒い革ジャンを着たライダーとすれ違ったっけ。(ていうかライダーはみんな黒い皮系ばっかりだけど)、あれだ。お互い途中でも会っていたのだ。

「あれかー!」

「あれだー!」

「ね、ところでさ、すごい申し訳ないんだけど」彼が突然言った。「手袋干してもいい?」

「もちろんいいけど、なんで?」

「だってくさいんだよ。ずっとはめてて今日は濡れたから。」

「はははー!いいって、干しなよー!私こんなに寒いと鼻ダメで全然においわかんないから。」

「じゃあ靴下も干していいかな。」お互いゲラゲラ笑った。

「ストーブあってよかったねええ~!」

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