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エレベーターもあるけれど電気がなきゃねえ

さてさて、猫騒動があったものの、うちの生活はというと、実は他の点ではちっとも変わりがない。やっぱり、まだホテル予定のビルに入居したいのを待っている状態である。

じゃあ、なにをそんなに待っているのかというと、実はビル自体はもう内装もほとんどできあがって、ロビちゃんが家具まで運び込んでほとんど完成間近なのに、ひとつだけ、できていないものがあるのだ。

それは、電気。

そう、電気が通っていないので、ロビちゃんたちも暗くなったら作業ができなくてその日の仕事はおしまい、というわけなんである。「電気さえ通ったらすぐにでも入居しよう」というのをずっと待っているのだけど、これがちっともである。なんでかというと・・・。

電気を外からビル内に通すための太いケーブルをマーレで数ヶ月待ったものの、一向に入荷がなく、仕方なくビルのオーナーはスリランカに注文した。スリランカからケーブルが届いたので開けてみたら、違う人の違うケーブルだった。そこでその旨を話すと「じゃあ送り返してくれればこっちに着いた次の日に航空便で正しいケーブルを送るから出した翌日に着く」ということだった。そこでオーナーが船便で送ってその送ったという証明書をスリランカの会社に送った。その証明書は送り出したという保障なので、その書類を見たら航空便で送ってくれるはずだった。ところが、向こうの会社は「実際に船便が到着して箱を開けてみないと、もしかしたら空っぽかもしれないからまだ出せない」と言う。話が違うじゃん、と思ったけど百歩ゆずってまあしょうがないかと船便が向こうに着くのを待った。実際に空っぽの箱だけを送ってくる国がたくさんあるからね。でもスリランカは近いのでいくら船でも2~3日で到着するはずだ。ところが、ちっとも連絡が来ない。私はイライラして毎日ロビちゃんに「ケーブルどうなってんの?」と聞いたけど、ロビちゃんがオーナーに聞くと「もうすぐ」とか要領の得ない返事。絶対にスリランカの会社に再確認なんてしていないんだと思う。そして、やっと連絡が取れたと思ったら今度は「航空便はお金がかかるから、船便で出す」とのこと。なに~~~!ここで私はブチ切れた。

ここまでの間にすでに何ヶ月も待っているんである。この、一本のケーブルのために、である。大体、一番最初に間違ったのを送ってきたのはそっちじゃないか!自分の責任だろ!と思うのだけど、こちらでは「モノがある」側が強いので、すでに全額お金を払っているのにも関わらず、こちらが怒ってはいけないのだそうである。怒ってケンカでもしたらモノを送ってくれないかもしれないから、と言うのである。確かに、そのケーブルは絶対必要で、それがなければ電気は通せなくて、日本みたいに「あなたがそうなら他で買うからいいわよ」というわけにはいかないのである。他はもっとひどいかもしれないし、そのモノ自体、もう見つけられないかもしれないのである。ないものは出せないから、モノを持っていて売れる側が強いんである。

しかし、私は頭にきた。その一本のケーブルのために高いお金を払って仮住まいでめちゃくちゃ不便な暮らしをしているのは私たちなのだ。ここで、私は考え方を変えた。我慢してここでがんばっているから頭にくるんだ。がんばんなくていいじゃないか。

「ロビちゃん、ケーブルが今週来ないんだったら、私子供連れて日本に帰る」私はロビちゃんに言った。まさに、「わたくし、実家に帰らせていただきます」ってな感じだ。まあ、実家だよね、実際。だって、マーレにいても一ヶ月馬鹿みたいにお金がなくなっていくんだから、飛行機代使っても日本に戻って、おいしいもの食べてる方がいいよ、と思ったのだ。マジで。日本に帰れないと思っていると辛いからいつでも帰れると思っていればいいし、本当にべつにいつ帰ったっていいのだ。

しかも、ここにいなきゃと思っているひとつの理由に子供たちの幼稚園があるんだけど、どうやら賃金のことで7月1日から先生がストライキを起こすので学校が休みになりそうだというニュースも聞いた。それなら無理していることないんじゃない???

いつもなるべく家族一緒にいよう、という考えで私もロビちゃんも動いてきたので、ロビちゃんはちょっと意外みたいだったけど、でもさすがに今回のシチュエーションはロビちゃんだってわかる。「そう、帰る?」ロビちゃんが聞くので、「帰る!もう帰る!明日飛行機のチケットの値段聞きに行くよ!もうスリランカとなんの取引もしたくないしStupidケーブルも一分も待っていたくないね!」と私は一気に言った。ロビちゃんに当たるのも申し訳ないんだけど、ロビちゃんは私に直接オーナーや取引先と話をさせたがらないので(まあ、私だったら確実にケンカするし)、私はロビちゃんにしか言う相手がいない。で、言わせてもらった。悪いけど、一ヶ月や二ヶ月なら待てるけど、もう七ヶ月待った上でのことなのだ。これ以上はさすがの私の堪忍袋の緒も切れる。

第一、スリランカは本当に私は合わないらしい。どうも彼らのやり方は好きじゃない。うちのホテルで出すティーサービスのお茶に、スリランカのディルマーティーを使おうと思ってディルマーのマーレオフィスに電話したんだけど、「ああ、じゃあ連絡します」と言ったきり、これまたなしのつぶてなのだ。本当にいい加減だ!もうディルマーも使わないことにした。ご近所のマーレオフィスなのに電話一本できないなんて、一緒に仕事をしていける相手とは思えないからだ。

そして私が「もう日本に帰る」宣言をして昨日マーレのHISオフィスに行ったらそこでは航空券は扱っていなかったんだけど、勤務している日本人のお姉さんと仲良くなってごはんの約束なんてして家に戻ったら、ロビちゃんからケーブルが港に着いたから受け取り賃を払いに行くというのを聞いた。

あら、届いたのね。日本に帰るとか、言ってみるもんだね。

さて、これで配電の人たちはいつ来てくれるでしょう???

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メリーちゃん

さて、新しい子猫がやってきて、またうちはにぎやかになった。しかも今度はチビクロよりちょっと大きいので走り回って飛び跳ねて遊んでいる。見ているだけでなんだか楽しくなるので、とっても助かる。

この猫をロビちゃんが拾ってきたとき、息子が私に「ママ、あたらしい猫きてよかったね。もう泣かなくていいよ」と言ってくれた。二歳児に気を使わせてスンマセン。ママ、もうちょっとしっかりするねえ。

チビクロは全身真っ黒だったけど、でも日本の猫の墨のような黒ではなくて、濃いグレイって感じだった。今度の猫も、黒と白のブチだけど、黒い部分はチビクロと同じ濃いグレイだ。頭から目にかけてのれんを開いたような黒いブチと、前足にも丸いブチがあって、なんだかとってもかわいい。尻尾はとっても長くてまっすぐで、これまた黒い。チビクロはオスだったけど、この子はメスだ。

人にくっつくのが大好きで甘えん坊でよく泣くので、きっと家猫だったんだと思う。でも、それにしては拾ってきたときはうす汚くて、泥がついてガビガビだったし(その前の3日くらい、夜に雨が降っていた)、すごい腹ペコだったので、飼われていたにしても迷子になったか、あんまりかわいがられていなかったか・・・。私がシャワーで洗うと白い部分がふわふわの真っ白になって、顔も足もとってもきれいになった。耳の中も綿棒で掃除したら真っ黒な泥がいっぱい出てきたので、ベビーオイルで全部取ったら気持ちよかったのか寝てしまった。

この子は大きいのでトイレを作ってやらなければならない。そこで、私が日本で飼っていた猫には猫用の砂でトイレを作っていたことをロビちゃんに話すと、ロビちゃんは裏のビーチで砂をいっぱいビニール袋に入れて持ってきてくれた。そしてとりあえずいらない箱をトイレにしたら、ちゃんとトイレの砂でおしっこをした。やっぱりもうしつけられているのだ。う~ん、誰かの猫なのかしら・・・。ロビちゃんが新しいピンクのバスタオルを買ってきてやり、私がトイレ用に本当は洗ったお皿を入れて水を切るプラスティックの入れ物を買ってきてやり、ごはんはモルディブ名物のツナ缶をあげた。ロビちゃんはそんな子猫を見て、「きっとこの子、自分がいきなりプリンセスになったと思ってるよ。猫にこんなに良いもの買ってきて~他の家じゃ絶対ないよ!うちに来てよかったよ!」と笑った。まあ、確かにぜいたくかもね。

そんな子猫は寝るときにはロビちゃんの頭にくっついて寝たがるので、猫を飼ったことのないロビちゃんは「猫が顔にくっついてるなんて寝られない!」と夜中何度も起きて文句を言っていた(笑)。でもその割には「こっちおいで~」とか言ってかわいがっている。

娘が猫に名前をつけたいと言い出したので、そりゃそうだと思い、何がいいの?と聞いてみた。すると娘、考えてからひとこと。「メリーちゃんがいい」。なるほど、いつもお買い物に行くスーパーへの通り道に猫を飼っているバイクの修理屋さんみたいなところがあって、そこの猫がマリーという名前なのだ(名前はそこのおじさんに聞いた)。娘はいたくそのマリーちゃんが気に入っているので、似たような名前にしたいのらしい。「いいんじゃない?メリーちゃんかわいいじゃない」と私が言うと、「ぼくいやだ!」と息子が反論してきた。「じゃあ、僕はどんな名前がいいの?」と聞くと、満面の笑みで「トーマス!」。「ええ~!それは男の子の名前でしょ~!メリーちゃんは女の子なんだから~!トーマスなんて絶対やだ~!」「ぼくはトーマスがいいのー!」もう、名前だけで大ケンカである。でも、まあさすがに女の子なのでメリーちゃんに落ち着いた。すると息子、ものすごい不服顔で私に言ってきた。「じゃあ、つぎのにゃんこはトーマスね!」ええ~!次の猫ですか~?笑えますが息子は真剣なので、笑っちゃダメよね。

メリーちゃんはもう遊びたいさかりで子供たちが歩くだけでその足にじゃれついて飛び跳ねながらついて行くので子供たちも大喜び。ほんとに、子供が三人いるみたいだ。昔なんでもかじられてしまったのを思い出して、日本から持ってきた電化製品のコード類は全部棚の上に乗せた。ここでは代わりはないからね。私たちのサンダルとかはかじっているけど、まあそれはよしとしよう。そういえば、昔私の持ち物には全部かじってキバで穴が空いていたっけなあ~となつかしく思う。トランプとかその穴で全部わかっちゃうんだよね~。

ロビちゃんが「なんだか、もうずっと一緒に生活してるみたいな変な気分になるね」と言っている通り、すっかりうちの家族になったメリー。毎日シャワーで洗っているのですっかりふわふわのきれいな猫になった。ノミも一匹もいない。モルディブは猫にノミってつかないのかしら・・・?私はノミが一番の問題なので、もう二度と猫と生活できることはないだろうとあきらめていたところもあった。でも、まさかマーレが猫と生活する理想の場所だったとは!あんなに外にいて汚れていた猫にノミがいないなんて信じられない!でも楽しく猫と生活できるのはうれしい!マーレでの新しい生活、まだ自分たちの住居にも引っ越していないけど、子供たちとも仲良く一緒にやっていけそうでよかった。

ちなみに、今の仮住まいで娘は毎日「ママ~つまんないよ~」としょっちゅう言っていた。まあ、日本から持ってきたおもちゃも本もすべてまだ箱に入ったままで、今はなんにもない生活なのだ。あるのはノートと色エンピツくらいで、絵を描いて遊ぶくらいしかない。本当に、。つまんない生活だと思う。でも、その娘がメリーちゃんが来てからつまんないと言わなくなった。とってもかわいがっているし、抱っこしてかまってやっている。なんだか、とっても情操教育にいいみたい。息子はどちらかというと猫と同じレベルで、メリー用に作ったおもちゃで一番長く遊んでいるのは実は息子である(笑)。本気でメリーとおもちゃを取り合ったりしているけど、さすがにサイズが小さいので本気で叩いたりしたらダメだ、というのもわかってきたみたいで、それもまた良いなあと思う。自分より弱いものをかわいがる気持ちは大切だよね。

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入れ替わり

チビクロが来てから生活が一気に忙しくなった。午前中は子供二人を幼稚園に送り出すのがどたばたの上、その合間にチビクロにミルクをどこかであげるのだけど、これが時間がかかるので午前中が一番忙しい。もちろん、子供たちが幼稚園から戻って来ても3~4時間おきにミルクをあげるのは変わらない。でもいつも大声でビャービャー泣くのでずいぶん元気になったなあと思っていた。

でも、子供たちを幼稚園から連れて戻ってきて、その日はお昼ごはんの支度ができなかったのでレストランに食べに行き、帰ってきてもまだチビクロが泣いていない。いつもなら、戻ってきた私たちの声を聞けばビャービャーと泣き始めるのに、やけに静かだ。そうっと箱を覗いて見ると、中に敷いてあるタオルにうずまって上からは姿が見えない。もしかしていない?そんなわけはないよね・・・と思いタオルを取ってみると、いたいた、下の方に寝ていた。寒かったのかな?と思い抱き上げてみたら・・・体がひんやりしている。さっと焦りが走った。どうしよう・・・!きっと寒かったんだ・・・。チビクロはなんだかぐったりしていて、いつもは私が抱き上げればすごい勢いで泣くのに全然泣かない。小さく体をふにゃ~っと動かすだけ。そして体が冷たくなっている。やっぱり、こんなに小さかったらいつもお腹の中に入れてあっためるくらいしないとダメだったのかな・・・。心臓がドキドキしながらチビクロを両手で包むようにして暖めながら、急いであったかいミルクの準備を始めた。

今日は子供たちを学校に送り出してから銀行に行って、そのまま学校へ迎えに行ってその後お昼ごはんを食べに行ったので、ちょっと長い間放っておきすぎたかもしれない・・・。大丈夫かな、大丈夫かな、と私は思いながら急いでミルクを作った。実は二日前に哺乳瓶を買って試してみたら、口には入らないけれど、びちゃびちゃなめるので注射器から哺乳瓶に変えて飲ませていたのだ。もしかして、それがよくなかったのかしら・・・。もう色んなことを考えながら哺乳瓶の先からミルクを少したらしてチビクロの口につけてみた。チビクロはちょっと泣くような口の動きをして、でも声が出なくてパクパクしながらミルクを少し飲んだ。ああ、飲めるかな、と思いまた口にミルクを入れてみる。娘がチビクロちゃ~ん、と寄ってきたので、「どうしよう、チビクロちゃん死にそうだよ」と言うと「えっ?」と驚いてから、「じゃあお墓作るの?」と聞く。去年ロビちゃんのママが亡くなったときにお墓に埋めたんだよ、という話をしたからだ。「ううん、まだ生きてるんだけどね、すごく弱ってるの。どうしよう。ママすごい心配だよ」と私が言うと、「大丈夫だよ、ママ。ミルクあげて」と言って、またバービーのDVDを見始めた。まあ、まだ5歳になったばっかりだから、しょうがない。そんなこと言われてもわかんないよね。

でも私はとても怖くて心配でドキドキしながらなるべく寒くないように手で包んでミルクを少しずつあげ続けた。チビクロは口にミルクが入るとちょっとおっぱいを飲むときみたいに手を動かすけど、力がなくて本当にぐったりしている。そして、しばらくミルクを飲んだらちょっと疲れた、という感じで私の手の中にくるんと丸まってしまった。・・・もうミルクいらないのかな・・・。まあ、弱ってるときにそんなにごくごく飲めないよね・・・。と私も思い、しばらく両手で包んでそのままチビクロをずっと眺めていた。ず~っとず~っと・・・何分くらい経ったかわからないけど、ふと、なんだかふと、力が抜けたような、軽くなったような感じがして、えっ?と思って少し頭をさわってみた。でも、チビクロはもう動かなかった。

死んでしまった。

私の手の中で死んでしまった。

ああ、まさに今だった、という瞬間がわかったので、私はつかめるものならちょっと待って、ってつかみたいくらいだった。でも逝ってしまった。

ちょうど娘が「ママ~」と何かを言いかけて私の方を見たので、私が「チビクロちゃん、死んじゃったよ」と娘に言った瞬間に私の目から涙がぼろぼろっとこぼれて娘がものすごく驚いた表情をした。そして、あっという間に娘も泣き始めた。きっと、親である私が「死んだ」という状況で涙を流したので「死んだ」ときにはそうするものなんだ、と思ったんだと思う。娘は声を出してわ~ん!と泣き始めた。

まあ、私も一応親なので、子供の前ではそんなに泣いたりしてはいない。それにどちらかというと子供を産んでからそんなに泣くようなシチュエーションがなかったかもしれない。いずれにしても、私が泣いているので娘は号泣し始めてしまった。

でも、私も止められなくてすごい泣いてしまった。だって、毎日ミルクを作って夜中も起きて飲ませてたんだよ・・・。まだ目も開いてなくて、光も見ていないんだよ・・・。こんなに小さくてママと離されてどれだけママに会いたかったか。小さいのにずいぶんがんばったのに。

そして私の悪いクセで妄想力が強いもんだから私はもうチビクロが大きくなって一緒に生活するところを考えていた。ホテルもオープンして、うちの招き猫みたいになって、こんなに大きくなったねえ、なんて写真を見て笑って・・・というところを想像してしまっていたのだ。

私が泣きながらロビちゃんに電話をすると、すぐに来てくれて、一緒に埋めに行くことにした。今のアパートはビーチから近いので、ビーチ沿いの公園の木の根元に埋めた。あんまり小さくて私の上着で包んでもちょっとした穴ですっぽり入ってしまった。上から砂をかけるところは見たくなかったので海を見ていた。

ロビちゃんの弟、通称コッコは私が猫が死んで泣いているのにビックリしていた。モルディブではそこまで猫にいれこんで飼っている人はいないのだそうだ。もちろん飼っている人はたくさんいるけど、死んでも誰も泣かない。人間じゃないから。ほんとにかわいがってたんだねえ、とコッコも黙って埋めるのに一緒に付き合ってくれた。

ロビちゃんがこれからまたホテルの準備をしにビルに戻るけど、すぐに僕がまた猫を連れてくるから、と私に言った。私はべつに代わりなんていらない、って思ったけど、説明するのもなんだかだったのでただうんうん、と言った。

そしてその日の夕方、夜ごはんの準備をしていたらどうも外からニャーニャーと子猫の鳴く声がする。チビクロの幻聴かしら、とうとう私もヤキがまわったかも、なんて思って窓の外を見てみたけど、別に何も見えない。そのまま料理をしていたら、コンコンとロビちゃんが帰って来た。ロビちゃんはカギを持って行ってないので私がドアを開けると、なんと片手に子猫を持っている。ほんとに、猫を片手に、である。その猫がまた、ビャービャー鳴いている。「どうしたの?!それ」私がほんとにビックリして聞くと、ロビちゃんがひとこと。「そこでひろった・・・」。うちの目の前はヌール・ミスキーというモスクで、そのモスクの前でビャービャー鳴いていたのだそうだ。きっと、さっき私が聞いた鳴き声もこの子だったに違いない。嘘のようなほんとの話だけど、ほんとにいたのだ。

「ほんとだよ、うちに帰ってきたらそこにいたんだよ」。猫は大体2ヶ月くらい。目もぱっちりしていて、小さいけど元気いい。「これは死なないよ。本当はもうちょっと小さいの、でも目は開いてるやつをそのうちもらってこようと思ってたんだ。でも、そこにいたもんだから」とロビちゃんは言って私にその猫を渡した。猫は人懐っこくておとなしく私に抱っこされている。子供たちはまた猫が来て大喜び。

さっきチビクロちゃんが死んじゃったばっかりなのに同じ日にやってくるなんて。

ちょっと複雑だったけど、その子はものすっごく腹ペコですごい勢いであげたツナ缶を食べているし、泥で汚れてガビガビしている・・・。チビクロももう少し育ったらこんな感じになっていただろうか・・・。

そうしてやっぱり4人家族+猫一匹になってしまった。

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幼稚園もう平気だよ

幼稚園初日には帰ってきて「ママ、ぼくたのしかったよ」と言っていた息子。う~ん、成長したなあ~なんて感心していたけれど・・・。
次の日、幼稚園二日目。「ママ、ぼくきょう幼稚園行かない。もう行かないの」あらららら。まあ、昨日も朝幼稚園に息子を置いて私たちが行くときに大泣きしていたので、無理もない。これはもちろん予想していた。まあ、最初の一週間は泣くかな、と考えていたので、ある意味想像通りなのだ。「でも行かないと先生待ってるよ?ぼく今日どうしたかなあ~って先生心配するよ?お友達とも昨日遊べて楽しかったじゃない」「うん、でも、行きたくないの~うわ~~~!」と泣き始めた。でも、ここで行かなかったらずっと慣れることができない。一番辛いけど、ここで休んじゃダメなんだよね。「かっこいい制服だし、ベルトもあるでしょう。あっ、黒い靴下も買ったねえ。全部着て、カーズのカバン持って行こうか。楽しいよ~」となだめること数十分。おいおいと泣いていた息子が突然「わかった、じゃあ行く」このへんの、折れるポイントがいまいちわからない。でも、息子は娘より気持ちの切り替えが早く、「じゃあいいよ」と言ってくれるのである。たいしたもんだ。

気が変わらないうちに制服を着せると、なんだか観念したような雰囲気。顔にちょっとあきらめが出ている。いくら泣いても行かなきゃならないらしいと気が付いたんだろうねえ。そうやって納得したあとの息子の行動は早い。さっさと自分で靴をはいて「ママ、じゃあ行こうか」と言う。こちらも急いでロビちゃんと私とロビちゃんの弟も一緒にタクシーに乗り込んだ。

幼稚園に着き、教室まで一緒に行くとまた息子はべそかき顔に。「ママ、ママもここに一緒にいて」と私のズボンをつかんで離さない。「ここはママは入れないんだよ。お友達と先生で一緒にいるお教室なの。ママはまた時間になったら迎えに来るからね」息子は泣きべそながらも何とか椅子に座った。私は教室から出て窓から覗いていたロビちゃんのところまで行き、窓から息子に手を振った。ロビちゃんが窓から手を振ってじゃあね~と言った瞬間、息子が「パパ~!」と大泣きをし始めた。私とロビちゃんは「やばいやばい」と慌ててしゃがんで見えないように窓の下へ隠れた。「わあ~ん」と泣いている息子の大声が聞こえる。「大丈夫、しょうがないよ行こう行こう」ロビちゃんと私とロビちゃんの弟の三人で窓の下をしゃがみながらこそこそ進んだ。

でも、他にももちろん泣いている子もいる。うちの子だけじゃないのだ。しかも、女の子で泣いている子は一人もいない。泣いているのはみんな男の子。おもしろいですねえ。大変なのは先生だけど、ここはプロにまかせて私たちは退散した。

さて、迎えに行ってみると、またもやけろっとして「ママ、たのしかったよ」と言うではないですか。あの号泣は一体なんだったの?そして息子一言。「あのね、ぼくもう明日泣かないよ」おっ、すごいじゃん、もう慣れたのかな?

そして次の日、息子は本当に泣かずに教室の椅子に座って私とロビちゃんに「じゃあね。バイバイ」と手を振った。涙は出てないし、ちょっと神妙な顔をしているけど、泣いていない。いやあ、すごいねえ。息子は娘に比べて私と離れたことが少ないので、慣れるまでに相当時間がかかるかなあと思っていたんだけど、ずっと早かった。きっと、慣れたというよりは、時間になったら迎えに来てくれるんだ、ということがわかったんだろうと思う。最初は今生の別れくらいに泣いていたけど、本当に「もしかしたらこれでもう会えないかもしれない」くらいに思っていたんじゃないだろうか。でも、なんだ、時間がきたらママかパパが来てくれるんだということがわかったのだと思う。初日は最初だったので一時間だけだったけど、次の日から通常の一時間半になったら、息子が「今日はおわるのがおそかったよ」と言っていた。「あのね、遅くてママがなかなか来なかったの」と言うけど、時計の見方も知らないのに、ちゃんと長い、ってのがわかったんだなあと思って、それだけで体内時計がちゃんと働いているなあなんて感心してしまった。親バカだ~。

「あのね、先生が遊ぶもの持って来てくれるんだよ」「ふたつにゆわいている子がかわいいの」色々なことを報告してくれる。「今日はね、先生がアメをくれたの」へえ~そう、よかったねえ。なに?アメ?!まったくこっちはどうして幼稚園でお菓子を食べさせるんでしょう~・・・。アメなんてうちではほとんどあげてないのに~!またもや私息子のクラスでも物申さなきゃならないんでしょうか・・・?きっとめんどくさい親だと思われてるんだろうなあ~。

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チビクロ授乳生活

新しく我が家の一員になったチビクロのおかげで、また私は授乳生活になってしまった。もちろん私がおっぱいをあげているわけじゃないけど、夜中でも泣けば起きてミルクを作って注射器でプチュッと飲ませる毎日・・・。しかもまだまだ新生児だから、飲む回数がとても多い。大体3~4時間おきにミルクをあげている。だって、飲める量も少ないからすぐにお腹がすくんだよねえ。

それにしても、一体どれくらいの量を飲ませていいのか、ミルクの濃度もどれくらいでいいのかまったく見当がつかない。そもそも人間の赤ちゃんのミルクでいいのかどうかもわからないけど、他にないので牛乳をあげるよりは栄養素的に良いに違いない、と信じて人間のミルクをあげている。人間の母乳でも喉が渇いているときにもごくごく飲めるようになのか、結構見た目が薄いので、薄めに作って飲ませていた。でも、拾ってきてから一度もうんちが出ていなかったので、ちょっと心配になってきた。丸一日うんちが出ないって、新生児ではちょっと便秘なんじゃあ・・・。そう思って、ミルクをもっと薄めて飲ませてみることにした。すると、二日目にやっとうんちが出てきた!ティッシュでおしりをこちょこちょしていたら、うんちがぷ~っと見えてきたので、やった!と思いもっとこちょこちょしていると・・・黄色くて丸いうんちがポロン!そしてその後にもにゅ~っ、ポロンと、二つ立て続けに出てきて私はとっても安心!やっぱりちょっとうんちが硬くなっちゃって、あとのが出てこれなくなっていたのだと思う。そんなわけで、濃度はとても薄めのまま、あげていくことにした。

注射器でしかあげる方法がないので仕方なくやっているけど、できればやっぱりちゃんとしゃぶれるものがほしい。でも、こんな小さな口に入るような小さな乳首がないので、人間用の哺乳瓶の乳首をくわえられるようになるまで待つしかない。注射器はもちろんプラスチックで硬いので、無理やり口に入れてちゅっとミルクを口の中に押し込むような感じであげている。たまに「げふっ」とかなっているけど、これが一番飲めるのだ。すごい小さいスプーンでもあげてみたけど、飲めるけど量は入らない。スプーンごとぴちゃぴちゃなめる感じ。ストローでもやってみたけどこれはもっとダメだった。やっぱり無理やりでも一番量が入る注射器でしばらく飲んでもらうしかないねえ。チビクロ本人は注射器で飲まされたあと、それでも何かをしゃぶりたいらしくて私の手をちゅぱちゅぱずっとなめている。あんまり思いっきりおっぱいみたいにちゃんと吸うので、かわいそうになってしまった。だって、ママと一緒にいればおっぱいをもらっている時期なんだもんね・・・。ママが恋しいだろうね・・・。ロビちゃんが抱っこしてもロビちゃんの指をちゅぱちゅぱ。娘の指もちゅぱちゅぱ。タオルにミルクを浸して吸わせてみようと思ってやってみたけど、やっぱり人肌がいいのか、タオルには目もくれない。それに、ミルクで濡れたタオルはすぐ冷たくなっちゃうからきっといやなんだろうと思う。あったかい肌にくっついていたいんだよね。目も見えずにそんな風に私の手をしゃぶっているのを見ると、なんでこんな小さいうちに捨てちゃうんだろう、と改めて腹が立ってくる。

でも、わからないながらもなんとか死なせずにやっていられるし、うんちも出るようになったし泣き声も大きくなった。最近は目が覚めるとものすごい声でビャー!ビャー!と泣くし、入れてあるダンボール箱をよじ登って外に落っこちるようになった。それだけ元気になったんだなあと思う。数時間おきのミルクなんてすっかりなつかしい新生児の生活だけど、自分で子供を二人産んだあとだと、ものすごい楽に感じる。きっと昔だったら大変に思えてできなかっただろうと思う。でも、今は人間の赤ちゃんに比べればな~んて楽!と思えてしまう。まず抱っこしたって重さを感じないし、ミルクを飲ませておしっことうんちが出たらOKだし。そのままあたたかくくるんで箱に入れれば寝てしまうこともある。楽だ~。でも昨日今日はちょっとチビクロもわかってきて、甘えて泣くようになったので、寝付くまでしばらく手でくるんで頭や背中をなでてやるようにしている。親猫はいつもなめてきれいにしてやるので、なめてもらってると思えるようになでてやるとしばらく指をちゅぱちゅぱしながら寝付くようになった。かわいい~。

ロビちゃんが唐突に「なんか、羽毛みたいなのがいいかなあ」と言うので「え?なにに?」と聞くと、「猫だよ。そんなタオルとかじゃなくて何かもっとやわらかいもので包んでやったらいいんじゃないかなあ」と言う。あら~私が思っていたよりも気にしてくれているようす。泣いていても私が他の用事を先にやっていると抱っこして「ねえ、この人お腹すいてるよ~」と心配顔。そして「目もまだ開いてないねえ」「ねえ、真っ黒だけどこのへんにちょっと白い毛があるんだよ」なんて、わりとかわいがっているみたい。ロビちゃんは猫を飼ったことも身近にいたこともなくて「全然知らないんだよ~」と言っていたけど、知らないだけで別にきらいなわけではないらしい。そしてロビちゃんが考えたのは、チビクロを息子のおむつでくるむこと。チビクロにはエアコンが寒いので暖めてやらないと寝ないため、布でくるんだりしていたんだけどイマイチあったまらなかった。そこでロビちゃんが息子の使ってないおむつの中にすっぽり入れてみた。おむつがくるんと丸まって外から見えなくなり、結構あったかいらしくぐうぐう寝るようになった。タオルを敷き詰めたダンボールの中に丸まったおむつがぽとんと置いてあって見た感じにはまるでゴミみたい。それでも起きてビービー泣いているときは、ロビちゃんはすぐに箱から出してきて自分のTシャツの中に入れてお腹の上で寝かせている。どうやらうちの三人目の赤ちゃんになったみたいでよかったよかった。

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猫と自転車

ゲストハウスからこのアパートに引越してきて、あっという間に自転車を盗まれてしまった。それも、二台とも。

一台目は、このアパートの一階部分から。一階部分は車庫みたいに広くなっているんだけど何にも使われていなくて、住人が自転車やベビーカーを置いている。あるのは子供の自転車二台と普通の自転車一台、そしてベビーカーが一台。がらんと広い中に適当に置かれてあったので、私たちも引越してきてからそこに自分たちの自転車二台とベビーカーを一台置いたのだ。もちろん、チェーンのロックをして、である。ところが、なんとここから一台盗まれてしまったのだ。そのときはたまたま外に一台路中して、もう一台を中に入れておいたら、中のやつだけ盗まれてしまった。多分、中に入ってしまった方が人目につきにくくてチェーンをカットしやすかったんだろう。一番下のドアはみんなが出入りするので鍵はかかっていないから、誰でも入れるわけなのだ。ここのアパートは目の前がモスクで、そのモスクの前に停めてあった自転車は盗まれなかった。モスクはいつも人が出入りしていて、そこでさすがにチェーンを切るのはできなかったんだろうと思う。

ものすごくがっかりしつつ、残った一台で私たちはなんとかやりくりしてきた。娘の幼稚園はいつもロビちゃんの弟がバイクで行ってくれるし、息子の幼稚園は時間がずれるのでまた弟のバイクにロビちゃんが乗り、私が自転車で息子を乗せて二台で走って行ったりした。そのあともロビちゃんがホテル予定のビルに出かけるときとか、私がレストランにネットチェックしに行くときとか、自転車はいつも大活躍だったのだ。なのに・・・もう一台も昨日盗まれてしまった。

ホテル予定のビルにいつものようにロビちゃんが自転車で行って、わざと人目につくように大きな通りの方の門に他のバイクと混じって停めておいたのに、なくなってしまった。なんでも盗む方は、大きなペンチでチョンとチェーンを切り、すぐにトラックに乗せて運んでしまうのらしい。そしてスプレーで色を塗り替え、すぐにマーレじゃないローカルの島へ船に乗せて持って行ってしまうらしいのだ。それじゃあもう二度と見つけられないよねえ。ローカルの島に行って格安で売れば、みんな喜んで買うのだそうだ。しかもうちのはまだ買って半年だし、子供用の椅子も付いている。売れるよねえ。っていうか、ひどいぞ!盗んではいけないとコーランに書いてあるんじゃないのか!私はここでこういう心無い人に会うたびに、「窃盗はするくせに豚は食べないってのはおかしいぞ!」と思う。もちろん、見つかれば罰せられるけど、見つからなきゃいいやとやっているわけで、実際には見つけることは難しいんだけど、それで金曜日にはお祈りに行って許してもらおうってのが調子が良すぎる。大体窃盗常習犯はドラッグをやっていて、ヤクを買うお金を作るためにそうやって荒稼ぎをしているらしいんだけど、そのおかげでうちは本当に困ってしまっているんだぞ!と言いたい。宗教を強化するのもいいけど、普通のモラルもなんとかしろよ、としみじみ思うのだ。大体ここの人たちは列にも並ばないしありがとうもごめんなさいもあまり言わない。それで私に「ちゃんと肩をかくす服を着ないとね」って、なんかおかしくないか?それ。と、自転車泥棒に頭にきていろんなところにまで怒りが飛び火しているのだけど、実際、まず幼稚園の送り迎えがどうしていいか困ってしまった。もちろん、タクシーに乗れば行けるけど、毎日二往復するのにタクシーを使っていたらすごくもったいない。かといって、歩ける距離でもない。もう~~~!

今日は仕方なくタクシーで行ったけど、やっぱりまた自転車を買おうか・・・とロビちゃんと考えた。送り迎えだけじゃなくても、自分たちも身動きが取れないしね・・・。今ただでさえお金を節約したい時期でしかも仮住まいで困ってばかりいるのに、さらに大事なものを盗まないでほしいよ・・・。いや、誰からもものは盗まないでほしいんだけどね。

そしてもんのすごい暑かった今日、子供二人を連れて近所のレストランでお昼ごはんを食べた帰り道テクテク歩いていると・・・大変なものを見つけてしまった・・・。

ダンボールに入った子猫・・・。

ぎゃ~~~!私の一番弱いところにきた~!しかも、まだ目も開いてなくて、耳がフェルトの切れ端みたいな子猫。産まれて数週間だと思う・・・。道の端っこにダンボールが置いてあって、その中にころんと寝ていた。私は一目見て子猫だとわかったのですっごくいやになってしまった。

私は小学生の頃、よく猫を拾ってきては家に連れて帰って母に「また猫拾ってきたの!もううちにはいりません!元のところに置いてらっしゃい!」と言われるまさに昭和な子供だった。さすがに隠れて押し入れで飼うことはしなかったけど、何匹も拾ったことがある。子供の頃の我が家は猫屋敷で、家で何回も猫がお産をしていて子猫が育っていくところも何度も見ていた。だから、大体のことはわかる。この子はとても小さい。そして、このまま置いておいたら確実に死んじゃう。

どうしよう~・・・・・・。もう、ほんとに困ってしまった。今は自分たちでさえ仮住まいの流浪の民で、自分たちのことだけでいっぱいいっぱいなのに、ここでさらに猫?!いやしかし、見捨てて行けるのか自分?でもその上自分の子供たちもいるのに猫?もう、頭の中は色んな考えがああでもないこうでもないとぐるぐるぐるぐる。黙って箱を見下ろしていると娘が心配そうに聞いた。「どうしたの、ママ?これ、なに?」「これね、猫だよ」「えっ?にゃんこ?」どうやら、あまりに小さくて娘には猫に見えなかったらしい。「ママ、私これねずみかと思ったよ」「そうだねえ、産まれたばっかりだからねずみみたいに小さいねえ」私は道行く人にちょっと聞いてみた。「これ、捨ててあるの?」すると若いお兄ちゃんは片言の英語で「ああ、好きなら持っていけば」とニコニコして言う。他の人に聞くと「ここに置いておいて、あとで取りに来るんじゃないの」え~でもこんな小さい子、道端にダンボールで置いて行きますか~ぁ?これから飼おうと思ってる人が~?そして一番英語が上手かった人は、「これは捨てて行ったんだよ。取りになんか来ないよ。いらないから置いてったんだ」ときっぱり。まあ、私もそう思います。

さて、猫を飼うについて一番の問題は実は猫ではなくて、私の場合ノミなのだ。猫についている猫ノミが私は大の苦手で、とにかく刺されまくるのである。しかも、蚊の十倍くらいはかゆくてかさぶたになり、いつまでもじくじく水が出てきて一年くらいかゆいのである。もう、恐怖なんてもんじゃない。子供の頃猫を飼っていたときでも、私はめちゃくちゃ刺されまくり、しかも治りにくいので本当に嫌だった。刺されないようにジーンズをはいて靴下をはいて居間を駆け抜けても猫から畳に移ったノミが私の足にピョンピョンと群がるのである。もう、思い出して今これを書いているだけでも怖い。なのに、同じ畳に弟はごろんと寝っ転がっていても刺されないのだから、何が違うのかノミに教えてほしいくらいだ。だから、猫を飼うにはノミを何とかしないと私はまた恐怖の生活をするはめになる。

実家を出てから一度だけ、猫を飼ったことがある。横浜のテラスハウスに一人暮らしをしていたときだ。テラスハウスと聞くとみんなびっくりするけれど、家賃はそんなに高くなかった。とっても交通の不便な山奥にあったのだ。一軒家を真ん中で仕切って同じ間取りが鏡映しになっていて、二世帯住めるようになっている家だった。私はその頃も絵を描いていて、大きな作品を描くのが好きだったので、一人暮らしでも広い場所に住みたかったのだ。なので、交通の便とかはあまり考えずに、広さと家賃の安さで決めた物件だった。そこに住んでいたときに、どういうわけかふとペットショップを覗いてしまった。横浜には巨大なペットショップがあって、暇だったのでかわいい子がいたら眺めようかな~なんて気楽に入ってしまったのだ。そして、ひとつの檻の中にいた猫を見てショックを受けた。とってもガリガリにやせていて目がうつろで頭がゆら~っと左右に揺れているのだ。顔はやせて逆三角形になりあごがとがっていて、目ばっかりが大きくて飛び出しそうだった。そして、ガラス越しに私を見たとたんにすごい勢いで泣き始めたのだ。ぎゃお~!ぎゃお~!貼ってある値段札を見たら、アメリカンショートヘアなのに、大きなバッテンがついて、半額になっていた。こ、怖い!ごはんのお皿を見てみると、カリカリのキャットフードを水びたしにしてふやかしてある。そんなの、食べるわけないじゃん、と思いつつ、店員のお姉さんにこの子を見せてもらえますか、と聞いてみた。すると、檻を開けに裏に行ったお姉さんが奥で他のお姉さんとガッツポーズをしているのが見えた。売れてくれ、ってことなのかしら・・・。と思いつつ、その子を抱っこさせてもらった。

抱っこしたら、もうだめだった。だってガリガリなんだもん~。そしてすがりつくように泣き叫び続けるのを見て、とても置いて帰れなくなってしまった。そのときの家賃6万5千円。その子の値段、6万8千円。・・・買ってしまった。

買うと言ったら、とたんにお姉さんは色んな説明をし始めた。「産まれてからずっとケージの中で育っているので急に広い場所に行くとおびえると思うので、最初は首輪でひもでつないでおいてください」・・・猫をつないでおくの???「この子、ちょっと皮膚病なので、この薬を飲ませてください」・・・こんなやせてて薬なんて飲ませて平気なの?ってか、これってただの栄養失調で肌がガサガサなんじゃないの???・・・と、色んな疑問はあったが、口にせずそのまま連れて帰った。もちろん、家でひもでつなぐなんてことはしなかったけど、別に猫もなんてことはなかった。ごはんもあんなブワブワなドライフードじゃなくて猫カンをあげたらすっごい良く食べるようになって、皮膚もすぐ普通になった。あのペットショップやばいんじゃあ・・・?と思いつつ、その猫とはモルディブの仕事が決まって引っ越すまで仲良く暮らした。今でもどうしてるかなあってなつかしく思う。

そして、今日の猫。私は子供の頃の別のことも思い出した。
学校からの帰り道、どこからか子猫の鳴き声がするのであちこち探してみると、まだその当時結構たくさんあった林のしげみの中にやっぱりダンボール箱に入れられた子猫がいた。今日見つけた子と同じくらいで、目も開いてなくて小さい白い猫だった。それくらい小さい猫なら家で何度も見たけれど、一番びっくりしたのはその猫にアリがたかっていたことだった。小さいアリだけど、泣いてあばれる子猫にいっぱい群がって、しかもまだ開いてない目に入り込もうとまぶたにびっしりアリがたかっていた。アリは、もう死の匂いをこの猫から嗅ぎ取ってるんだなあって思って、どうしていいかわからなくて私はしばらくそこであわあわしていたら、ちょうど通りかかったカップルのお兄さんとお姉さんが子猫の鳴き声に気づいて覗きにやってきた。そして、やっぱりアリを見てお姉さんがきゃ~っと叫んだ。私はそこで決心して、走って家に帰り、ランドセルを置いて猫を見にまた走って戻った。そのときは拾おうかどうしようかはまだ自分でわからなかった。だって、病院に連れて行けるお金、小学生にはなかったしね。でも、戻ったらもうその箱はなくなっていた。家のすぐ近くだったので10分も経ってなかったと思う。私は、あのカップルのお兄さんとお姉さんが拾って病院に連れて行ってくれたんだと思いたかった。もちろん、本当のところはわからないけど。

その猫のことが目の前に出てきてもうダメだ~と思った。

・・・拾ってしまった。

以前から猫を飼いたい、ハムスターを飼いたいと言い続けていた娘は大喜び。息子もかわいいねえ、かわいいねえとニコニコしている。私はでもかわいいばっかりじゃいられない。拾ってしまったからには、育てなきゃならないし、ノミもなんとかしなきゃならない。ノミがいないわけないけど、マーレにノミ取りシャンプーやノミ取り首輪があるわけがない。でも刺されるのは絶対にいやだ。でもこのままここでこの猫が死ぬのはもっといやかも・・・。猫を拾った足で近くのスーパーに寄って人間の赤ちゃん用のミルクを買った。でもスポイトか注射器で飲ませないと飲めないし・・・。大体人間のミルクでいいのか???と思いつつも、そのままアパートへ。娘はもう飛び跳ねんばかりに喜んでいる。これで死んじゃったらどれだけ泣くことか・・・。

まず、ミルクをぬるく作って一番小さいスプーンで飲ませてみた。口の周りがびしょびしょになっちゃうけど、まあ少しは飲めているかなあ、という程度。それからティッシュを濡らしておしりをこちょこちょとさすっておしっこ。赤ちゃんのうちは親猫がなめてやるとおしっこやうんちをして、それを親猫がなめてやるので、多分ほおっておくと自分ではできないのかもしれない。思ったとおり、こちょこちょし始めたらすぐにおしっこがぴーっと出た。おなかをじーーーっと見ていたらノミが一匹。ぎゃっ!と思いベビーソープでお湯をかけて全身洗ってみた。こんなに小さくて洗うのはちょっと危ないかなとも思ったけど、しょうがない。そ~っと洗ってすぐにタオルでくるんであっためた。ノミは一匹つぶしたけど、そのあと意外にも見当たらない。ものすごくじっくり見てみたんだけど、見えないのだ。普通、じ~っと見ているとトコトコと動いていくのが見えるんだけど、動くものがない。実はこの猫、真っ黒なのだ。白い猫だとわかりやすいんだけどなあ・・・黒だからなあ・・・なんて思いつつ、まあよしとしてくるんだまま手であっためたらそのまま寝てしまった。

しばらくしてロビちゃんから電話がかかってきたので怒られるかなあと思いつつ(だってこんな生活なのに)猫を拾っちゃったと言ったら、「あっそう、じゃあ箱がいるね」とけろり。「今ティッシュの箱に入ってるからいいよ」と言うと「ティッシュの箱じゃあもう少し大きい箱がいるでしょ。何か探して行こうか。あとは何がいるの?」と言ってくれた。「じゃあ、注射器。ミルク飲ませるの」「シリンジ(注射器)?ふ~ん。わかった」「あ、一番小さいやつね!」
さて、注射器を買ってきてくれたロビちゃん、猫を見てあまりの小ささにビックリ!そりゃそうだよね、だってティッシュの箱でも有り余るくらいなんだもん。息子のゴムの切れた綿のズボンにくるんでもエアコンが寒いのか起きてしまうので、「じゃあここ乗っけていいよ」とロビちゃんが自分のお腹に乗っけてくれた(寝っ転がってテレビを見ていた)。暖かいのと呼吸でお腹が動くのが安心なのか、乗っけたらずっと静かに寝ていた。

子供たちはもうかまいたくてしょうがなくて、「ママ、赤ちゃん見ていい?」「ママ、ぼくもだっこするー!」「あたしがミルクあげたーい!」「ねてる?ねてる?」と大騒ぎ。「それじゃあ寝られないよ」と言うと、「見てるだけー!」ほんとに、育てることができるんでしょうか・・・。でも、自分たちがこれまでにないくらいに今困っている状況で、まさに生命的に困っている子を放っていくのってどうなんだろう・・・と思ったわけでして・・・。自転車盗むやつもいれば、猫を捨てていくやつもいる。こんなに小さいのに親猫から離したら生きていけないのはわかっているから気持ち的には殺しているのと同じだよね・・・と思うと、毎週金曜日、モスクから人があふれて入りきれないくらいお祈りをしている人たちのこの国で、なんだよそれー!と疑問たっぷりの気分なのだ。自転車は戻ってこなくても、せめてこの子は育てばいいなあ・・・と思う。命名、チビクロくん。そのまんまや~!

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息子、初めての幼稚園

今日は息子が始めて登校(登園)する日。セカンド・タームの始まりだ。
息子はベイビーナーサリーで一時間、娘は二時間なので、始まりの時間が娘の方が早く、後から息子も行って終わりの時間が一緒というスケジュール。まず、娘は慣れたものでさっさと支度をしてロビちゃんの弟のバイクに乗せてもらって学校へ。ロビちゃんの弟はバイクがあって自由が利くので毎日娘の送り迎えをしてくれているのだ。

さて、娘が出発してから息子の支度。ちゃんと気持ちから納得させるために話してきかせる。
「ぼく、今日から学校だね。準備しようか」すると息子「ぼく、きょうはいかない。しあさっていくからいい」。出た!得意のしあさって。「え?でも今日学校に持っていく飲み物、昨日買ったじゃない。それ持って行こうか」「やだ」どうやら間際になってちょっと緊張しているようす。こういうときはあまり言い続けるともっと意固地になるのでもう話題にしないことにした。「じゃあシャワー浴びちゃおうか」昨日の夜、疲れてシャワーを浴びる前にベッドに横になってそのまま寝てしまったのだ。すんでのとこで私が歯だけは磨いたのだが、シャワーは睡魔に間に合わず、浴びられなかったのだ。

シャワーを浴びて裸んぼうのところにさっと制服の白いシャツを着せて「わあ~すてき!」とほめちぎった。息子、ちょっとうれしそう。鼻の穴がぷんと膨らんでいる。「ズボンもきちんとはこうか」と制服の黒いズボンをはかせ、ベルトを締めようとしたらベルトが壊れている。制服用に買ってまだ一度も使っていないのに、もう壊れているのだ。まあいいや、と形だけでもベルトを締めて靴下をはかせカバンを準備。私はもう息子が制服を着ているだけで感動!してきた。デジカメを出してきてベルトをなんとかしようとしているロビちゃんと息子の写真をパチリ。いやあ、制服ってなんて大きい子に見えるんでしょうねえ!

そして、いよいよタクシーに乗り込んで息子の学校へと向かうことに。
今私たちが仮住まいにして住んでいるアパートはマーレの端っこのビーチのすぐそばで、学校はまったく反対側のマーレの端っこの海のそばにある。いろいろ引越ししている間に一番遠くに来てしまったのだ。まあ、遠くと言ってもマーレだから、小さい島なんだけど。運よくすぐにタクシーを捕まえたら、昔ロビちゃんがヒルトンで一緒に働いていた友人が運転しているタクシーだった。彼は私がヒルトンに行く前にヒルトンにいてロビちゃんと一緒だったのだそうだ。「お~!久しぶり~!」なんて言いながらロビちゃんは私と息子をタクシーに乗せ、自分は弟のバイクの後ろにまたがって「これで行くから」と言った。私と息子はタクシーで出発。運転手さんに「マーファヌ・マダルシャーね!」と言うと「なんでまたそんな遠くの学校?」とびっくりされた。タクシーの中で一通り近況報告をし合い、学校の目の前の交差点でロビちゃんの弟のバイクと合流して、学校に到着した。

息子のクラスはベイビーナーサリーのAクラス。BN-Aと書かれた教室に行くと同じくらいの年頃の子供たちが入り口の前にたくさんいた。出入り口で先生と思われる二人の女性がいたので、ロビちゃんがディベヒ語で彼女たちに「ディベヒも英語も話せなくて日本語だけなんだ」と説明すると、若い先生が「ライラ~!!(あらまあ)」とビックリ。おしっこに行きたいときは息子は「ピーピー」って言うから、と説明すると「ピーピー?」と言って笑って「OK」と言ってくれた。私はまず息子と一緒に教室に入り、息子を席につかせようと思ったら、もう一人、座っている男の子がすでにわんわん泣いている。その子は「ママ~!」と言ってお母さんのズボンのすそを握って離さない。それにつられてもう一人の女の子がちょっと涙目に。この雰囲気の中何かを察した息子、ものすごい心配そうな顔をして「ママ、ぼくおうちに帰る。ここ、つまらないから」と言い始めた。手はしっかり私の服をつかんでいる。「大丈夫だよ、すっごく楽しいよ。ママ、この針がぐるっと一回回ったら迎えに来るからね」としゃがんで息子の目を見て言うと、口の端が下がってすぐに泣きべその顔になり、「やだ、ぼくここやだ、帰る!」と泣きそうになってしまった。「大丈夫だよ、楽しいからね」と私は笑顔を崩さず、そのまま先生にバトンタッチ!さっさと教室を出た。さっきの若い先生がすっと息子の手を握ってちょっと私から離してくれた。急いで教室の外に出て壁に隠れ、窓から様子を覗いているロビちゃんと弟に聞いた。「どう??泣いてる?」すると、まるで缶ケリをしている男子みたいに体をナナメにして窓からちょっとだけ体を出して覗いていたロビちゃん、「あれ?意外と大丈夫。泣いてないよ」と言う。「どれどれ」と私もそ~~~っと覗いて見ると、先生が両手をつないで窓に背を向けさせ、向かい合って何かを話してやっている。う~ん、先生すばらしい。息子もえらい。しめしめ、とロビちゃんと弟と私の三人で「平気なもんだね」と笑いながら学校を出た。

さて、二人とも学校に行ったとはいえ、今日は息子は一時間だけなのでもう一時間後には迎えに来なきゃならない。かえって忙しいんじゃ?と思うが、まあ、一時間余裕ができたと思ってロビちゃんと二人でお茶をすることにした。学校の目の前にあるカフェに入ってロビちゃんはバナナシェイク、私はアイスクリームとお茶を頼んだ。ここのカフェは二階で海に面しているので全部がオーシャンヴューの席である。風も気持ちいい。何しろ、ロビちゃんと二人でこんな風にお茶をするなんて、なんて久しぶり!子供が産まれてから、必ずどっちかが子供の面倒を見ていたのでこんな風に夫婦二人になったことがほとんどない。なんだかすっごい新鮮だ!

海を行くスピードボートやタンカーを眺めながら、ロビちゃんがぽつり。「それにしても若い先生だよねえ」「うん、私も思った。でも日本でも、たとえば短大出てすぐ幼稚園の先生になったら20歳そこそこだよ」「そうかあ」「あの先生も多分そのくらいだろうねえ」なんて、なんだか年寄り夫婦みたいな会話でのんびりお茶を飲んだ。一時間はあっという間に過ぎて、またすぐに学校へ歩いて戻った。歩いている途中、腕を組んでいたら(普段は子供と手をつないでいるので腕なんて組めない)周りの人々がすごいジロジロ見て大注目だったので、私は楽しくなって「もう結婚して7年だから大丈夫ですよ~」と日本語で言ってみた。こちらでは夫婦じゃないと公の場で(こういう道端とかで)手をつないだり腕を組んだりして歩くのは良くないことなのだ。イスラムですからね。普段は子供二人がいるから周りも「ああ、外国人と結婚した家族なんだ」と納得していますが、二人だけだと「外国人と遊んでいるモルディブ人」という捕らえられ方をしないとも限らないのですねえ。でもちょっと楽しかった。

学校の門のところまで行くと、ちょうど息子のクラスの子たちが園庭の遊具で遊んでいた。「危ない!気がついたら泣くかもよ!」とロビちゃんが壁に張り付いたので私も慌てて反対側の壁にペタリ!二人で忍者みたいに壁からそ~っと中を覗くと、息子はなんてことなく遊具で遊んでいる。「なんか、遊んでるよ」「うん、泣いてないし、楽しそうだね」しばらくすると先生が連れて全員教室の中へ入って行った。
さて、終わりのチャイムが鳴ると同時に私とロビちゃんは息子の教室に小走りに。行って教室の中を見ると、息子と目が合った。息子は私の顔を見て泣き出すでもなく、神妙なよそ行きの顔のままで、出入り口の他の子たちが出るのを静かに待っている。やっと出てきたので、私が手を取って「どうだった?」と聞くと、神妙な顔のまま、口の端だけちょっと笑って「たのしかった」と言う。「楽しかった?良かったねえ!」と言うと、「うん、ぼくのお友達、いっぱいいたよ。ぼくねえ、たのしかったよ」と言うではないですか。なんだか、感動してしまった。もっと泣いて明日はもう行かない!なんて言い出したらどうしようと思っていたのに、ずいぶん大人な発言でこちらがビックリ。それを聞いてホッとしたロビちゃんは「あっ!お姉ちゃん!」と娘の教室へひとっ走り。そうそう、娘も同じ時間に終わるんだった。娘は園庭に出てくるなり「ぼく~!楽しかった~?」と息子に駆け寄り、息子も「うん、たのしかったよ」とまた同じ口調で報告した。いやあ~うちの子供たちも大きくなったもんだ。こうやって見ると娘なんて貫禄すら感じる。こちらに来てから娘も初めて幼稚園に通い始めたわけだからたった半年前は娘の制服姿を見て感動していたってのに、もう二人ともだなんて。「楽しかったし、明日もまた学校来ようね」と言うと、息子も「うん」と元気良く返事した。とりあえず、泣いていやがる息子を無理やり連れて行くなんてことはなさそうでよかったよかった。

帰り道、歩いていて他の子を見てふと気がついた。
「あれ???ロビちゃん、他の男の子、黒い靴下はいてるよ?」
そう、うちは今日息子に白い靴下をはかせて登校させたのだ。息子の入学手続きをして全部説明を受け、制服を揃えたのはロビちゃんなのだ。私に言われて他の男の子の足をじ~っと見つめてロビちゃんが一言。「・・・まちがえちゃった」。「男の子は黒い靴下だってわたしちゃんと言ったよ!?」と娘に言われるロビちゃん。すっかり小さい奥さん状態。

さあでは、黒い靴下買いに行こう!

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リゾート~!

リゾートに行ってきた。
私とロビちゃんがリゾートで働いていたときに一緒に働いていた友人たちがいっぱい、マーレから近いリゾートで働いている。当時は同じようにウェイターだったり普通のスタッフだった彼らも、今や軒並みマネージャークラスになっている。みんながんばって出世しているんだねえ。そして、そんな彼らが「日本にいるんならまだしも、モルディブに来たんなら顔出せよ」と言って彼らの働いているリゾートに招待してくれた。本当はもっと早くから言ってくれていたんだけど、リゾートの方が満室で忙しかったのだ。「ハイシーズンが終わってちょっと空きができてきた」という連絡が来たので、招待にお呼ばれすることになった。

このリゾートはマーレから近くてスピードボートで20分くらい。水上飛行機に乗って行っていたヒルトンとは大違い。ヒルトンはマーレから遠かったのでなかなか島から出ることができなかったのだ。でも、スピードボートで行き来できるなら簡単にマーレに来られるからいいよねえ。

専用のスピードボートが迎えに来てくれるのでジェティまで行くと、もう友人の一人が待っていてくれた。ロビちゃんと私が大変お世話になったソムリエのSだ。ロビちゃんは彼にワインのことをいちから教わったのだ。私も休暇を取って、三人で一緒にイタリアやオーストラリアのワインフェアに行ったりもした。楽しかったなあ。

リゾートに行けると聞いて娘は大喜び。今回行くリゾートは津波でモルディブに来たときに一回行ったことがある。そのときは娘は二歳、息子は私のお腹の中だったっけ。娘に聞くと驚くことに、全然覚えてないと言う。でも「リゾートは楽しい」ということは覚えているのだ。そのときも友人たちが「来い!」と招待してくれたのだ。ロビちゃんの実家が津波の被害に遭っていたことや、私が妊婦だったこともあってものすごく良くしてもらってなんだか申し訳ないくらいだったのを覚えている。

モルディブの中でも指折りの高級リゾートなので、部屋はすばらしい!超豪華、である。オープンエアのバスルームにはプールまでついてる。内風呂ならぬ内プールだね。部屋にプールがついているのを見て子供たちは飛び上がり、早速入ると言う。この日は曇り空でちょっと涼しいくらいだったんだけど、そんなの関係ないらしい。「ここは他の人は来ないうちの部屋だけのプールだから裸んぼでいいよ」と言うと、喜んで裸でプールに飛び込んだ。寒くなったときのためにバスタブにお湯を入れながら私もプールに入った。ロビちゃんも入って家族四人で裸プール!いつも海やプールに行った後は私やロビちゃんが手で水着を洗っているから、洗濯物がなくてこりゃ楽だ!しかも気持ちいい。寒いかなと思ったけど、慣れちゃえば全然たいしたことなかった。バスタブも久しぶりなのでとってもうれしい。やっぱりシャワーだけって日本人には物足りないというか、さみしいよね。

夕方にはビーチを歩いて散歩した。リゾートはサンドカーペットと言って白い砂で埋め尽くされているので、私もロビちゃんもサンダルをはかずに裸足で歩いた。ヒルトンにいたときはサンダルを履いていたんだけど、とても忙しくて不安定な砂の上をじゃんじゃん歩いているとすぐにサンダルが壊れてしまい、私はよく履くものがなくなった。じゃあちょいとマーレに買い物に、という具合に島を出られなかったので買い物もできないのだ。壊れたら、おしまい。なので、何ヶ月もサンダルがなくて裸足で過ごしたりしていた。でも、レストランの厨房の中も入って行っていたのでどこかで割れたグラスの破片を踏んでしまい、それが足の裏の中に入っちゃってそのまま一ヶ月くらい歩いていたことがあった。ガラスの破片は取ったつもりだったのに歩くとどうも痛いので島に一緒に住んでいるドクター(ホテルのドクターとして勤務している)に見てもらったところ、小さな破片が入ったままだったのだ。ピンセットで取ってもらったけど、それからはなるべくサンダルを履くようにした。でも、基本的に裸足で砂の上を歩いて生活しているのは気持ちよかった。

なので、今回もロビちゃんと「リゾートだからいらないね」とサンダルをはかずに過ごした。足の裏が気持ちよくてロビちゃんもうれしいな~とさんざん言っていた。私たち二人が裸足なので子供たちも「はかない~!」と裸足で歩いた。それにしてもリゾートに来たのがとっても久しぶりで、そのリゾートの雰囲気がまた久しぶりで懐かしかった。そうそう、リゾートってこんなだったっけ~・・・。なんといっても、マーレからやってくると、とっても静か。マーレはバイクやら車やらとにかくざわざわしていてうるさい。でもリゾートは静かで、波の音か鳥の鳴き声が聞こえるくらい。なんだかとっても落ち着く。

部屋のベッドもふかふかで広くてな~んて気持ち良いことか!食事もおいしいし、マーレと同じ国だなんて思えない。国民であるロビちゃんですら、「なんだか別の世界だね」ってしみじみ言っていたくらい。だからって、じゃあリゾートに住みたいかというと、まあこれはまた別の話だね。私は二年間ヒルトンに住んでいたのだけど、やっぱり仕事をして住むというのは違うことだよね。お客さんで来るからすばらしいのさ!

レストランにはヒルトンでロビちゃんが一緒に働いていた友達がいっぱいいる。バーにもいる。ハウスキーピングにもいる。タクル(バトラー)にもいる。み~んなすっごいなつかしい!そしてここの総支配人さんは数年前に新しくなった人で私は初対面だったのだけど、ロビちゃんはコンラッド東京で働いていたときに何度かお会いしている。彼が仕事で日本を訪れるときにはコンラッド東京に泊まるか食事に来てくれるので、ロビちゃんは何度も彼にサービスをしているのだ。とってもやさしい感じのユーモアのある人でわざわざ時間をさいてバーで話しをしてくれた。こういう人間関係が、本当に今の私たちを支えてくれているなあと思う。しみじみ、友人、恩人って大切だよね。

マーレはお肉がそろっておいしくないので、ここでやわらかいビーフを食べ(和牛を輸入してるんだそうで、とってもやわらかかった!ここまで和牛を運んでいるってことだけでもお値段の高さが想像つきますね)、ロブスターまでごちそうになった。最近は節約もかねてマーレの安めのレストランでフライドライス(チャーハン)ばっかり食べていた私には涙が出そうなお食事!な~んておいしいんだろう~!

とにかく久しぶりのリゾートを満喫した二日間だった。みなさん、ありがとう~!
ちなみに、マーレに戻ってきた次の日、息子が朝起きてひとこと。「ママ、きょうもリゾートいこうか」「ええ~!?もうしばらく行けないよ。ああいうところはたまに行くから楽しいんだよ」と言うと、娘も「私、たまにじゃなくても楽しい!」と参加。「じゃあ学校はどうするの?リゾートからじゃ学校は通えないんだよ。せっかくお友達もできたのに」すると娘、「いいよ、ママ、私幼稚園辞めても。気にしないから」なに~~~?!そっちが気にしなくてもこっちが気にするんじゃ!まあでも、大人だって楽しいんだもん、子供が大好きになるのなんて、無理もないよね。私もこちらに来てからホテルのビルがちっとも完成せず、ストレス満載の日々なんだけど、とっても良い気晴らしになった。もう一度、ありがとう~。

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SAFF

今月、SAFFというものが開催されていた。南アジアサッカートーナメントって感じだろうか。
出場国はモルディブ、スリランカ、インド、ネパール、パキスタンなどなど、全部で何カ国あったのか私はよくわからないんだけど・・・。これが、大盛り上がりだった。ひとつの理由はわりとたくさんのゲームがマーレのスタジアムで行われたこと。多分他のいろんなトーナメントと同じように出場国中のあちこちで場所提供を順番にしていて、今年はたまたまマーレの番だったんだと思う。もう、この試合を見たいがために、みんなチケット売り場に殺到することになった。チケットが売り出された日はチケット売り場があるメインストリートのマジーディーマグは交通規制。警官がたくさんいる中、真昼間から大行列で、ずら~~~っと人が並んでいた。そのチケット売り場の近くが歩行者天国みたいになっていたので、私は子供二人を連れてのんきに散歩などした。

もちろん、みんなが見たいのはモルディブ戦。ロビちゃんもお兄さんがチケットを買ってくれて、結構最初の方から見に行っていた。毎日昼間はホテル予定のビルに行って掃除をしたり、組み立て家具を作ったり、荷物の搬入なんかをしていてストレス満載のロビちゃんはこのサッカー観戦でストレス発散!もう、本当に楽しいらしい。私はサッカーはまったく興味がないので全然わかんないんだけど。

あまりの熱狂ぶりに、ダフ屋が出て、オリジナルで35ルフィヤのチケットが500ルフィヤで売れたとか1000ルフィヤで売れたとか。モルディブvsパキスタン戦では道端で「チケットない?」とロビちゃんもパキスタン人に声をかけられたそうだ。そう、応援の人もたくさん来ていた。マーレは選手陣、応援陣が集まってホテルは軒並み満室状態。どこのホテルも空きがなくてみんな寝る場所を確保するのに四苦八苦なのだそうで、もうそれを聞いてああ~こんな時期に私たちもホテルをオープンしていたかったなあ~と私はそっちの方が悔しかった。特に、マーレの老舗ホテル、ナサンドラが営業を止め、閉めてしまったのでその分のお客さんもみんな他に回っているのだ。う~ん、早くオープンしたい~。私のそんな思惑とは関係なく、ロビちゃんはビルから仕事を終えて戻ってくるとシャワーを浴びて急いでサッカーを見にスタジアムへと走って行く日が続いた。試合は大体2日おきくらいにやっていたかな。

さてさて、モルディブのチームはいかがなものかというと、実はそんなに強くはない。なので、ロビちゃんのみんながうちの息子を日本でサッカー選手に育てろと言うくらいあんまり強くはない。日本で良いサッカー選手に育ててもいいけど、それで日本チームで出ちゃったらどうなのよ?と思うが、みんなは日本でサッカーをやれば有名なJリーガーのように強くなると思っているらしい。あのJリーガーの下にどれだけの2軍3軍の人たちがいることか!根本的な人口の差をわかってないな。

ところがである。今年はなんだかモルディブチームが強い。あれよあれよと勝ち進み、なんとセミファイナルでスリランカに勝ってしまった。その日の夜、私は子供たちを寝かせてからメールをチェックしに自転車でレストランへと走っていたのだけど、どこもかしこも大歓声。みんなまだ興奮さめやらず、叫びながらトラックの荷台に乗ったりバイクに二人乗りしてマーレの中を走り回っている。そして、スリランカ航空のオフィスに人だかりが!そう、それまでの試合はマーレで行われていたんだけど、セミファイナルとファイナルはスリランカで開催されるのだ。セミファイナルの対スリランカ戦で勝ったので、みんなファイナルの試合をスリランカまで行って見ようと、飛行機のチケットを買いに殺到したのだ。みんな、お金あるなあ!

ロビちゃんの友人、ジャッラもすぐに「スリランカに応援に行こう!」と電話をかけてきたらしいのだけど、ロビちゃんは「今こんな仮住まい状態で僕だけスリランカにサッカー見になんて行ったら奥さん(私)が怒るから」と断ったのだそうだ。はい、もちろん怒りますよーそんなの行ったら!サッカー見るだけじゃないか~!しかして、勝てば優勝、負けても準優勝の今回はみんな見逃すわけにはいかないらしい。とってもたくさんのモルディブ人がスリランカへと飛んで行った。

そしてファイナルの日。試合は夜なので、夜に向けて着々と準備が進められていた。あちこちの広場やビーチで大きなスクリーンを設置し、椅子もコンサート並みに用意して野外観戦場がたくさんできあがった。それらには全部スポンサーがついている。マーレの主要な会社はみんなスポンサーになっていて、どこかしらに場所を提供していた。普段イベントの少ないマーレ、もちろん私たちも家族でおでかけ。今借りているアパートから一番近い、ビーチの特設会場で見ることに。試合が始まってからのんびり歩いて行ったので、もうみんな大興奮状態。みんなモルディブの旗を手に持って振っているので子供たちは旗が欲しいとか言い出したので、後から合流したロビちゃんのお兄さんに旗を持って来てもらった。子供たちも旗を振って大喜び。でも試合はそんなに短くはないので子供たちはすぐに飽きてしまった。第一、大の大人が立って大騒ぎなので子供たちは見えないのだ。0-0のままハーフタイムになると、応援歌をかけてみんな踊りだした。子供たちも踊る踊る。なんかもうめちゃくちゃなので、私は子供たちを連れて一足先にアパートに戻ることにした。ロビちゃんはもちろん最後まで観戦。

アパートに戻ってさて、寝る準備。だって次の日は学校の新学期なのだ。息子は特に記念すべき第一日。初日に遅刻したら大変だし、私も朝写真とか撮りたいしね。ゆっくり余裕を持って支度したいので、「明日からスクールだよ、楽しみだね」と子供たちに話してシャワーを浴びて歯を磨き、ベッドに入った。寝かしつけていると外の声が聞こえてくる。ギャワ~~~!!!う~ん、点が入ったのかなあ。キャ~~~っ!!!シュートがゴールポストにぶつかって入らなかったとかかなあ。なんて勝手に想像しながらとりあえず二人を寝かせた。

そして二人が寝てしばらくした頃に、ロビちゃんが戻ってきた。
「どうだったの?」
するとロビちゃん、目をまん丸にしてにこりともせずに一言。
「・・・勝ったよ・・・」
そう、モルディブは優勝してしまったのだ!

ファイナルはモルディブvsインド戦。話によるとレフェリーがひどく不公平でモルディブには厳しく、胸でボールを受けてもハンドを取ったりするのにインドが何してもペナルティを取らないのだそうだ。私はサッカーのことがほんとにわからないのでなんて言っていいかわからないんだけど、とにかく頭にくるほどあからさまにモルディブには勝たせたくなかったらしい。誰がどう見てもアンフェアなジャッジだったそうだ。それでも、いや、そんな中で勝ったんだから、私はかえってすごいと思った。ペナルティを取られ、逆にPKはもらえず、それでも勝った今年の強さ・・・それは、ひとり、きらりと光る選手がいるからなのだそうだ。彼は「ダガンディ(鉄)」という愛称で呼ばれている選手で、とにかくアシストというか、チームの引っ張り方がうまいのだそうだ。このインド戦でもシュートしたのは違う選手だけど、彼が非常に上手にシュートしやすい状況を作るらしいのだ。

そんなダガンディなので、もちろんマークされていて、相手はペナルティ覚悟で彼一人を狙って暴力行為に出ていたらしい。一人は思いっきり彼の顔に肘鉄を入れ、ダガンディは顔が切れてしまったのだけど相手はペナルティも取られなかったそうなのだ。う~んひどい。とにかくムードメーカーの彼をみんながつぶしにかかり、殴る蹴るの目に余る試合だったらしい。それでも彼は欠場せずに走り、もう一人がロングシュートを決めて、それがきれいにゴールに入った。私は後からニュースで見たんだけどね。すごいスピードのロングシュートで、キーパーの横を見事に抜けてゴールに入ったのが試合が終わる2分前。モルディブ人の大興奮ぶり、みなさんも想像できますよね。

ダガンディはMVPに選ばれ、モルディブは開催されてから17年目に、初めての優勝を手にした。
そして、興奮はまだまだ続く。

なんと、次の日が祝日になってしまったのだ!学校もオフィスも官庁も全部お休み!ええ~~!?新学期、って張り切ってたのに!まだテレビがなかったので朝のニュースで今日はお休みです、って言ったらしいんだけど、私たちは知らなかったのだ。ロビちゃんの弟に電話して(いつも娘をバイクで学校まで送ってくれるから)初めて知った。もう、学校行っちゃうところだったよ!ていうか、お休みって・・・まあ、いいけどさ。

そして、昼間からみんな外を走り回るようになった。マーレ中のトラックが荷台に人とスピーカーを乗せて走っている。バイクもハンドルに旗を何本も付け、ひらひらとはためかせて走っている。モルディブの国旗は赤い四角の縁取りの中が緑色で、真ん中に白く薄い三日月が浮かんでいる。そして選手のユニフォームが赤だったので、もうマーレ中の人が赤い服を着ているのだ。もちろん、ユニフォーム風のTシャツを着ている人もいる。日本でもJリーグのユニフォームもどきってたくさん売ってるもんね。マーレの洋服屋さんはみんなショーウィンドウーのマネキンやディスプレイに赤い服を飾り、赤い服が売れに売れた。赤いTシャツ、ブラウス、スカート、子供服、帽子、とにかくみんな赤一色!赤いカチューシャの女の子や赤いアフロヅラをかぶっている人、自毛を赤と緑と白に染めちゃった人、フェイスペインティングももちろん赤と緑と白、とにかくみんないっちゃってる!でもまだこれはほんの序の口・・・。次の日には、選手がスリランカから戻ってくるのだ!

次の日、選手が飛行機で戻ってくるのは4時過ぎ頃。マーレは朝から浮つき状態。町中のいたるところに国旗、国旗、国旗。窓からも壁にもベランダにもマーレ中の家が国旗を飾っている。この国旗も何万本も売れたらしい。大・中・少・ミニ、サイズは多々あるけれど、どこの家もどの車もバイクも旗を付けている。もう、サッカーで優勝したことによる経済効果がすごいと思う。こっちのテイラーはガラス窓で中が見えるようになっていてみんな座ってミシンを踏んでいるのだけど、どこのテイラーもこの数日間は旗を縫っていた!雑貨屋さんで旗を3ルフィヤで勝って道端で10ルフィヤで売ってる人もいた!それくらい町中旗で埋め尽くされた。ドーニ(船)もびっしり旗が付いていてちょっと日本の大漁旗みたい。会社の壁も官庁の壁も旗や赤と緑の布地で飾られ、赤と緑の風船もあちこちに並び、道路わきにも等間隔で大きな国旗がずら~~~っ。きっと、今日だけマーレ観光している人はこの国はいつもこうなのかと思っちゃうよねえ。それくらい、徹底したウエルカムムードができあがっていた。優勝した瞬間は野外観戦場の近くのカフェやレストランはみんなフリードリンクやフリーフードを配っていたし、赤い服や靴の売り上げもすごいし、とにかく経済効果がものすごい。これがダガンディ(ひとりだけとは言わないけど)の効果かと思うと、個人の力もすごいもんだなあと関心してしまった。とにかくそれくらい、今まで見たことのないマーレになっていた。

さあ、待ちに待った選手の帰国。私たちも船が到着する公園前のジェティまで出かけて行った。タクシーに乗って行ったんだけど、途中から交通止めになってて歩くことになった。選手が到着するところは規制してあるんだけど、それ以外のところも応援のトラックでいっぱいなのだ。マーレでトラックを持っている人たちがみんなトラックを出して荷台に赤く染まった人たちを乗せ、パレードに参加するのである。マーレは面積に対しての人口密度が世界一高い首都なのだけど、普段はあんまりそう感じない。これくらいなら渋谷のセンター街とか横浜駅近辺の方がよっぽどすごいよねえ、とよくロビちゃんと言っていたのだけど、この日はすごかった。多分、みんな外に出ていたに違いない。ということはいつもは外に出ない人がいっぱいいるってことなんだろうけど、とにかくおじいちゃんもおばあちゃんも子供も大人もみ~んな集まっていてもんのすごい人なのだ。本当に、こんなマーレは初めて見た。選手が通ることになっているところはきれいに布で飾られ、高い位置にテレビクルーがカメラとともにスタンバイ。どれくらい待っただろうか、やっとこさ、選手を乗せた船が海の向こうからやってきた。

モルディブは小さな島ばかりなので、一個ずつ島で分かれている。首都の島マーレと、空港は離れている。空港は空港だけでひとつの島なのだ。大体ドーニ(船)で15分くらいで、いつもはマーレ&空港間のドーニが定期的に出ているんだけど、この日はなんと大統領が専用船で空港まで迎えに行き、選手たちその船でマーレに戻ってきたのだ。段々近づいてくるでっかい豪華な船は赤と緑と白の布で全部を縁取られ、中にはVIPのようなワインレッドの布を張ってあるふかふかした肘つきの椅子が並べられてあり、そこに選手が座っている。風に旗をなびかせながら船がゆっくり近づいてくるごとに歓声が大きくなり、桟橋に横付けにされると地響きのようなみんなの声が!でも人、人、人で選手なんて全然見えない。

船が着いてから選手たちは用意されていた見晴らし台みたいなのがついたパレード用の車に乗って位置が高くなり、やっと姿が見えた!みんな黒のスーツをビシっと着ていてとても素敵だ。娘も選手を見て「ママ、みんなおしゃれしてきたんだね。かっこいいねえ」とうっとり。大音量で応援歌が流れる中、選手たちは優勝カップを高くかかげ、うれしそうに手を振っている。みんなは奇声を上げながらその車の後を追っかけている。迷子も続出していたので、私は娘を、ロビちゃんは息子をしっかり掴んで旗を振って叫んで歩いた。選手の車が見えなくなってからも、マーレ中のトラックがパレードを始めて道路は動けない状態に。シンガポール航空のトラックはシンガポールエアのフライトアテンダントお姉さんの立て看板も乗せ、荷台にあふれんばかりに乗っている人たちがシンガポールエアのキャンディをバラバラと投げて降らせているし、バンドが乗っかって演奏しながら進んでいるトラックもいた。ドラムセットが倒れないようにガムテープでぐるぐる巻きにしてあって、あれ後ではがしたらべとべとだよなあ~なんて私は思ったけど、ギターとベースとヴォーカルもそろって荷台で応援歌を生演奏している。トラックは次から次へと続いて途切れることがない。そしてその合間に頭が三色になった人が二人乗りで旗が何本も付いたバイクにまたがってイェ~イ!と走っていく。かなり大きい旗を両方のハンドルに縦に付け、前にも後ろにも小さい旗を何本も付けてそれらがパタパタとはためいて蛇行していく姿はまるで暴走族!

私も子供たちも手に国旗を持って振りながら叫んで歩き、とってもエンジョイした。子供がいるので私たちめがけてアメを投げてくれる人がたくさんいた。子供たちは最初びっくりしてしまっていたが、他の人たちがきゃ~っと楽しそうにアメを拾うのを見て私に「いいの?」という目をした。そんな、人が投げたお菓子を拾ったら普段なら怒られるもんねえ。今日はスペシャル、と思い「いいよ、拾ってごらん」と言うと、二人ともひとつずつ拾ってきた。「今日はもうおやつ食べたから明日食べようか」と言うと、娘は「うん、じゃあママ持ってて」と私に渡したが、息子は「ぼく、ぼくがもってる」と言って放さない。「いいよ、じゃあ持っててね」と言うと、「うん」と向こうを向いてじーーーっと手のひらの中のアメを見つめている。どうするかな~と思って黙って見ていると、おもむろにねじってある包み紙をくるくるとほどいて口の中にパクッ!あらら~2歳児は我慢できませんでした。「ぼく、食べちゃったの?」と聞くと、ちょっと慌てて言い訳っぽく「うん、あのね、あの、ぼくね、ちょっと、たべちゃったの」。アメは息子には結構大きく、口の中でもごもごしてちゃんと閉まってない口のはしっこから溶けたアメエキスのよだれがだら~ん。キャラメルキャンディだったのでべっとべと。でも普段食べさせてもらえないアメも食べられたし、大人が大騒ぎのパレードも紙吹雪も子供たちはとっても楽しんで良いお祭りになった。私は何がすごいと思ったって、あの全員がシラフだってことかなあ。ここはアルコール類禁止だから、日本だったらみんなビールでも飲みながらだろうけど、こちらはあれだけハイテンションでもみんなシラフってことなのだ。それがすごいよねえ。

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またまたまたお引越し

今日はまた引越しをした。

今回もロビちゃんの友達の紹介である。その友達のお父さんが事務所として使っているアパートで、一室空いているというのだ。お父さんが事務所にいることはほとんどなくて、いつも鍵が閉まっているから気にしなくていいし、もうひとつ部屋があるけどそこに住んでいる人もほとんどいなくて夜寝に帰ってくるだけだから気にしなくていいというのだ。見せてもらったら奥の一部屋と、共同部分のダイニングを自由に使っていいとのこと。もちろんそのダイニングのところにいれば隣室の人が帰ってくれば会うけれど、まず夜にならないと帰ってこないのだそうだ。一体何をやってる人だとそんななんだろう???と思いつつ、移ることにした。

ここのダイニングはキッチンがついているんだけど、ガスコンロがないので火が使えない。でも、どうせ今までどおりにホテルにいたら火が使えないのは同じことだ。しかも、洗面所の流しでお箸を洗ったりしながらルームサービスを部屋の中で食べていたのを考えれば、ガスコンロがなくてもキッチンがあるというのはちょっとうれしい。洗いものができる流しもあるし、調理台もあるし、なんといっても4人がけのダイニングテーブルと椅子があるのだ。ちゃんとみんなで座ってごはんが食べられる。あと、一泊分の料金を考えるとここの方が20ドルちょい安くなる。それなら、と動くことにした。

朝早めに起きて荷物をまとめてロビちゃんがスーツケースをちょこちょこ運んでくれた。場所はホテルから歩いて2分くらいの近所なのだ。荷物もスリランカからスーツケースで来ただけなので、そんなに散らかってるわけでもない(娘の誕生日があったので子供のおもちゃは増えたけど)。ロビちゃんとロビちゃんの弟が大きな荷物を運んだあと、自転車とバイクで全員で移動して引越し終了。私と子供たちは最後に動いただけだから全然大変でもなかったけど、スーツケースを運んでくれたロビちゃんとロビちゃんの弟はものすごく大変だったらしい。というのも、ここは4階で、もちろんエレベーターなんかないのである。しかも階段はせまくて細くて、その上階段の段のひとつひとつが浅くて低く、普通の感覚で上ると足があまって半分空足を踏んでしまうような感じになるのである。せまいところに無理に付けた階段というか、どうも妙な設計だ。

モルディブの階段はかなり適当で、上ってて大抵一番上か一番下の段の高さがそれまでと違うのである。多分、一段~十センチと決めて作っていって最後に「あれ、合わなくなっちゃったからちょっと高くしちゃえ」とか、「今までの高さより少なく余っちゃったからその余りだけで一段作っちゃえ」というのがありありと見える構造なのである。私はこのモルディブ独特階段で何度も最後の一段につまづいたりがくんとなったりしたことがある。とにかく、ちゃんと考えて設計してないでしょ~!と素人の私が見ても思う建物が多いのだ。

今日引っ越してきたビルは段の高さはみんな同じに作ってあるけど、どうにもちまちまして上りにくく、しかも段から段へつながる面が床に対して垂直ではなくて斜めに切り込んである。きっと、幅が狭いので足がちゃんと乗るように角度を付けてあるんだと思うけど、これがなんとも降りにくい。ここをあの重くてでかいスーツケースをかついで上るのは大変だっただろうなあと思う。ロビちゃん、弟くん、ありがとう。お疲れ様でした。いつも私は楽してごめんねえ。

さて、入居するのを決める前に一度見に来たことがあるんだけど、ここは思ったより汚くない。ていうか、マーレの汚いアパートって半端なく汚いからとても住めないけど、ここはきれいだったのでそれも入ることにした要因だ。それに、実際入ってみると、部屋からダイニングへと家の中で動線があるのがいい。やっぱりホテルの一室にいると動く場所がないもんね。そして、今日は日本から送った荷物の中から炊飯器を出してきて、ロビちゃんがごはんを炊いてくれた。日本のタイプのお米を売っている店があるのでそこでお米を買い、それからマーケットで魚を買ってきて、お米の上に魚を乗っけて炊いてみた。炊いているうちに魚のすっごい良い匂いが!あとお湯をわかすホットポットにブロッコリーを入れて沸騰させてブロッコリーもゆでた。コロンボで買って来た日本のマヨネーズがあるし、お醤油もあるので、その魚ごはんに醤油をかけ、ブロッコリーはマヨネーズでシンプルにごはんを食べた。これがまた!めっちゃくちゃおいしかった~!!!やっぱり日本のごはんだね!そして醤油に野菜!モルディブでは野菜が本当に不足していて、特にレストランで食べていると野菜を摂るのがとっても大変。それにこのシンプルな味付け。いつもフライドライス(こちら風のチャーハン)とか、フライドヌードル(塩ラーメンみたいな乾麺をゆで炒めしたやつ)とかばっかり食べていて飽き飽きしているのでものすっごくおいしかった。外で食べるといっつもとても辛くて、しょっぱくて油っこい。良いとこないじゃん!って、でも本当にそうなのよ。たとえば子供用に白いごはんとオムレツとかを頼んでも、白いごはんはパラパラのタイ米でしかも塩味がついているし、オムレツはフライパンがもう辛いのか、卵自体は辛くしてなくてもなんだかほんのりピリピリするのである。そしてもちろん油っこい。パンとかでも、甘いパンでもとなりに辛いのが並んで置いてあるとくっついた部分がもう辛~くなっているのだ!ごはんはとっても苦労しているので(どこのレストランに入っても何を頼んでもおいしかったイタリアとは大違い)、火が使えなくてもごはんが炊けるだけで大違いだね。

そして、今日しみじみと私が思ったこと。それは、家があって、普通に生活できるのってすばらしいことだなあってこと。もう、豪華な家も家具もいらないから、普通の住居で普通の生活ができたらいいねえ、ってつくづく思った。日本を出てから早6ヶ月。最初の一ヶ月はフルマーレのホテル、次の一ヶ月はマーレのアパート、次の三ヶ月はスリランカの家、そして半月ホテル暮らしをして今日からこのアパート。なんかもうほんとに落ち着きたくなった。しかし、子供たちはすっかり慣れてきたのか、娘は今日「ママ、ここはどれくらいいるの?」と聞いてきた。毎回動くたびに一応きちんと説明しているのだけど、一体どこまでわかっているのかな~とは思っていたが、まあ子供なりに納得してくれているのかもしれない。ごめんねえ。子供だって落ち着かないよねえ。

でもまあ、本当に大詰めという感じで、もうそんなに長くかかることもないだろうと一応は考えているのだけど、さてどれくらいでビルに移れるのやら。でも、次に動くときはホテルのビルに入居するときなので、後少し、と思うと気分もちょっと今までとは違うかな。

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軍隊フェスティバル

今日は夕方から子供向けのフェスティバルがあるというので、それに出かけることにしました。

お昼ごはんを食べてからジャッラの家にまた遊びに行っていたので、ジャッラの家の女の子たちと一緒に行きました。
結構な人数だったので一台のタクシーに乗り切らず、私とロビちゃんは息子を連れて二台目に。娘は早く行きたくて、仲良くなったお姉ちゃんたちとさっさと一台目に乗り込んで行ってしまいました。

今日のフェスティバルはモルディブの軍部敷地内を開放して子供向けにやってくれるおまつりです。モルディブは軍と警察が一緒なので(内部ではもちろん別れていますが大抵ひとくくり)、警察に勤めているロビちゃんのお兄ちゃんがおいでと誘ってくれました。

イベントの少ないこのモルディブでは何かがあればマーレ中の人が来ているんじゃないかと思うくらい人が集まります。他に行くところもないしね。サーフィンの大会でも、外車のお披露目会でも、自転車のウィリーレースでも、ものすごい人です。そして今日は子供向けなので、若い人口が多くて子供大好きのモルディブ人が出かけないわけはありません。うちの子供たちも話を聞いて朝から楽しみにしていました。

さて、軍の敷地のゲートに着いてタクシーを降りるとロビちゃんがちょっと待ってと言って中に入ろうとしません。もしかして入場料がいるのかな?と思ったけど、他の人はどんどん入って行きます。もちろん、先のタクシーで到着しているはずの娘も他の子たちと一緒に中に入っています。なんだろうと思っていると中からお兄ちゃんがやってきました。なんだ、お兄ちゃんを待ってたのかあ、とお兄ちゃんの方に行こうとするとまたもやロビちゃんが「あ、ちょっと待って」。そして、お兄ちゃんがゲートの中の人となんだか話しをしています。ゲートの両側にはミリタリールックのマシンガンを抱えたお兄さんが二人、両足を広げて仁王立ち。って、本物なんだからミリタリールックじゃなくてミリタリー、なのよね。ずいぶん待ってもお兄ちゃんはゲートの中の人たちとしゃべっていて、息子は早く入りたいとぐずりだしました。「ぼく、もうまてないよ~」。「ねえ、ロビちゃん、これ何待ちなの?」するとロビちゃんがちょっと言いにくそうに一言。「え~っと、外国人だから入れないかもしれないんだ」えええ~っ?!私待ち?!

確かに考えてみれば、ここは軍施設なのですよね。いくら開放フェスティバルと言っても、外国人がすたすたと入るのはちょっと、というのはもっともなことですわ。どうりで、お兄ちゃんが話している人はあっちこっちに電話をかけています。昼間、お兄ちゃんが確かめて大丈夫だと言われたからロビちゃんは何も言わずに私を連れて来たんだそうですが、いざ入るときになって「ダレ?その外人?」ってなったのでしょう。「あの~スパイじゃないよぅ~」と言ってみたり、「アハレンゲ ディベヒラーッジェID バラン ベーヌンタ?」(私のモルディブのID見たい?)とか小声で言ってみましたが、こういう場所はジョークが通じないところなので、マシンガンも怖いし、息子は早くと泣いているので「いいよ、私そのへんでお茶飲んでるから」とロビちゃんと息子を中に入れました。ってことは、うちの娘は他の子に混ざってすっかりモルディブ人として入場しているわけね。まあ、国籍持ってるからモルディブ人なんだけど。子供は両方の国籍を持っているのでお互いの国で親のどちらかが外人になっちゃうわけですね。

さて、買い物でも行こうかな~なんて歩き始めたらすぐに携帯が鳴って、「許可が出たからおいで」とのこと。そのままさっきのゲートまで引き返すとお兄ちゃんが「どこ行くんだよ~。ちゃんと入れるようにしたよ~」と待っててくれました。お兄ちゃんのポジションはなんだか知りませんが結構えらい人なんだそうです。

中は広くて、私が想像していたよりもちゃんとしたフェスティバルでした。大きな野外ステージがあり、横に戦車が3台展示、パトカーも消防車もあり、学園祭みたいな出店がずら~。色鉛筆とぬりえがあって塗り終わるとお菓子をもらえたり、ゲームで的に当てるとメダルがもらえたり、フェイスペインティングがあったり。娘は顔にちょうちょを描いてもらい、それから二人ともアイスクリームを食べ、海の水をそのまま汲んできて作った(海の魚も一緒に入っていた)池でリモコンのスピードボートを走らせたりと大忙し。そのうちマーチングバンドがやってきて演奏している後ろから着ぐるみがいっぱい出てきて娘は大興奮。ミッキーにミニー、ドナルドとデイジー、グーフィーにバックスバニー、スパイダーマンやキティちゃんとボーイフレンドのダニエルまで!しかして・・・もちろん、みーんな手作り感満載。着ている衣装はもちろん手作りだけど、かぶっている頭もみんなちょっと顔がゆがんでる???でも手作りにしてはものすごく良い出来だと思いました。みなさんが考えているような許可はまあ取ってはないと思うけど、小さな島国の小さなおまつりだと思ってご容赦いただきたいですね・・・それにしてもおもしろかった。ロビちゃんは「キティちゃんが一番ひどい」と文句を言っていたけど、ロビちゃんはサンリオピューロランドに行ってちゃんと本物を見ているから違いがわかるようになったのね。確かにキティちゃんは究極の少ない線で描かれている、ほとんどデザインの域のキャラクターなのでちょっとでもバランスが違うともう中国のぱちもんみたいになっちゃうんだよね。私が一番ウケたのは背が高くって細いスパイダーマンが汗びっしょりで汗のしみがコスチュームにじわ~~~っと(笑)。まあ、こんなに暑いところで着ぐるみは暑いよねえ。

そして一番人気だったのは、ビルの三階分くらいの高いやぐらみたいなところまで安全ベルトを着けてはしごを登り、垂直の板の壁を足で蹴りながらベルトでしゅ~っと降りてくるという訓練体験でした。すごいなあと思って見ていると、なんと娘がやりたいと言う。でもやっている子はみんな娘よりは大きめの小学生くらいの子達だし、かなり並んでいます。「これ、ちょっと長い間待たないとできないよ?」と聞くと、「待てるからやりたい」と言うではないですか。まあ、本人がそう言うなら、と待つ列に座らせて順番を待ちました。思っていたよりも早く順番が回ってきて娘は腰にすっぽり履くような安全ベルトをしっかりと着けてもらい、ヘルメットをかぶって手袋をはめて出発!みんなより小さいのでアシスタントの軍のお兄さんが後ろから一緒にはしごを登ってくれましたが、軽い足取りでどんどん進んで行きます。そして上から下を見て私たちに手を振っています。でも困ったのはディベヒ語がわからないので軍のお兄さんが「ここで手を離して」とか「ここで捕まって」とか言うのがわからないんですね。でも、怖がらずにちゃんと足で壁を蹴ってロープで降りてきたのにはビックリしました。うちの子は怖がりだとばっかり思っていたんですけどねえ。親が一番子供の力を認めてないのかもしれませんねえ。

結局二時間近くいたでしょうか。ずいぶん楽しんでお菓子もいっぱいもらってホテルに戻ってきました。お菓子は明日のおやつだよ、という約束で。じゃないと夜ごはん直前に食べられちゃったらごはんが入りませんからねえ。

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ハーミュージカル

この数週間、息子は「ハイスクール・ミュージカル」が大のお気に入りで、毎日朝起きれば「ママ、ハーミュージカルみよう」(息子はこう呼ぶ)と、昼でも夜でも「ハー・ミュージカル」ばっかりです。

「ハイスクール~」はディズニーチャンネルのオリジナルムービーで、日本でも大人気だから皆さんもご存知ですね。日本にいたときからディズニーチャンネルで見たことがあって、娘がまず大好きでした。で、友人が「ハイスクール~2」のDVDを買ったのを見て「これ大好き」と言ったらその友人がDVDをそのままくれたわけです。

「ハイ~2」は見たことがなかったので、それからしばらくはずっと繰り返して見ていました。そして、今息子が大ブーム。歌だけをチャプターで選べるのでストーリーは見ずにず~っと歌をあれこれとかけっぱなしです。おかげで私まで毎日頭の中から「ハイ~」の歌がぐるぐる回って消えません。

昔ながらの楽しいミュージカルを再現したような感じで、とってもアメリカらしく、最近の物まねばっかりが目立つハリウッド映画より私もよっぽど好きです。でも見ているとつい「ディズニーチャンネルの映画で主役をやるってことは相当大変なことなんだろうなあ」とか、「オーディションもさることながら、ダンスの練習も大変そうだな~」とか、「若いのに主役級がこれだけいるとこの後みんな有名になって色んな映画で見かけるようになるんだろうなあ」なんて裏事情ばかり考えてしまいます。

私も一緒に歌を歌ったりしながら見ていると、ある日息子がぽつり。「ぼくね、このおんなのこがすきなの」。へ?と思い、「どれどれ?」ともう一度よく見ながら聞いてみると、Chadという男の子のガールフレンドの黒人の女の子を指差しました。へえ~・・・こういう子が好みなのかあ・・・。と思いつつ・・・。いや、まてよ。好みというよりは、この女の子は主役級の中ではちょっとぽっちゃりしていて胸が大きいのですね。まだまだおっぱい大好きの息子はこの胸にやられたにちがいない・・・。というか、男の子ってまだまだじゃなくてこの先もずっとおっぱい大好きなのね、きっと。

そしてSharpayがうっとりとTroyを眺めるシーンがあり、TroyがSharpayの注目の中、ゆっくりとスローモーションで歩いてくるのを見ながら娘が一言。「ママ、ほら見て。かっこいい人はゆっくり来るんだよ」。なるほど。演出のスローを子供なりにちゃんとわかっているんですね。かっこいい人ほどスローで見せ場があるわけです。ちなみに娘は誰がかっこよくて好きとはあまり言いません。女の子でこの子がかわいいとか、こっちの子のこのお洋服もかわいい、という風に女の子ばかりに注意が行っているようです。ファッションをチェックしたり、髪をチェックしたり、娘はキメポーズまで真似します。ほんとに、5歳といえども、ファッション雑誌を参考にする大学生と変わりませんねえ。

こうやって見ていると男は男なりに、女は女なりに、子供のときから大人になっても変わらないのかもしれないですねえ。

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久しぶりの友人宅

毎日毎日レストランで食事をしているので最近すっかり飽きてきた。このホテルの近所のレストランも行きつくした感じ。

そこで、昨日は昼間歩いて5~6分のベーカリーまでお昼ごはんのパンを買いに行った。たまにはパンを部屋で食べるのもいいし。

ベーカリーに着いてソーセージロール(もちろんチキンソーセージ!)やらマフィンやら、食べたいものを買って背中のリュックに入れ、両手に一人ずつ子供と手をつないでまたテクテク歩き始めた。隣の本屋さんをのぞいたりしていたら娘がトイレ~と言うので慌ててホテルに帰ることにした。

歩き出してすぐにモルディブ人の男の人がああ!と言って娘のほっぺたをむにゅ~とつまんだ。誰?この人?と思ったら、リゾートで一緒に働いていてロビちゃんの仲の良い友達だった。サングラスをしていたので全然わからなかった。

ジャッラというあだ名の彼はロビちゃんよりは年上で私よりは年下かな?結構落ち着いた感じの仕事のできる人で、私もロビちゃんも一目置く存在の人だった。
「どこいくの?うち、ここからすぐ近くだからおいで」と言うが早いかジャッラは娘の手を取ってすたすた歩きだした。まあ、トイレに急いでいたし、ついて行ってトイレ借りよう、と思い私も息子の手を引いてジャッラのあとをついて行った。

家は本当にすぐ近くで(ということは今私たちがいるホテルからもすぐ近くということで)、とてもきれいな新築のアパートだった。早速トイレを借りて、一安心。干し魚なんかをもらって食べていたら、ジャッラの娘二人と、ジャッラのきょうだいの子供たちが学校から帰ってきた。昨日は学期末の最後の日で、みんな早く終わって成績表をもらってきたのだ。

もちろん昨日の朝、うちの娘も幼稚園から成績表をもらってきた。ほとんどが「Very Good」なのに対して、まだ書けない英語のアルファベットやディベヒ語、アラビア語は「Avarage」と書かれていた。ふん、これからできるようになるもんね。と私は内心ひそかに思っていたのだ。

ジャッラの娘二人の成績表を横から見せてもらったら、なんと全部「A」だった。二人ともオールA。う~ん・・・。うちもがんばろうか~・・・と少し心配になった。。彼女たちはとてもうれしそうにパパに成績表を見せていた。パパもよし、って感じ。そんなの見ちゃうとジャッラもすっかりお父さんだなあ~なんて思ったり。

さて、彼女たちは6歳、8歳、もう一人のいとこの子も同じくらいの年で、みんな娘よりちょっと年上。ちょい年上の女の子と遊ぶのが大好きな娘は彼女たちが学校から帰ってきたら目が輝いた。
「ママ!お姉ちゃんがいっぱい来たよ!」
「うん、みんなここで一緒に住んでいるんだよ」
「わあ~」
みんなが制服から着替えてきたら早速、女の子ばっかりで奥の部屋に引っ込んでバービーのジグソーパズルを始めた。もちろん娘も大喜びで仲間に入っている。

このアパートはリビングキッチンの他に4部屋あって、ジャッラの妹夫婦、もう一組の夫婦、ジャッラのお母さん、ジャッラのお祖父ちゃん(!)、そしてそれぞれの子供たちがみんな一緒に住んでいるのだ。女の子たちの他にも息子と同じ年くらいの男の子、10ヶ月の赤ちゃんがいた。高校生くらいに見える男の子と女の子もいて、どういうつながりなのかまったく不明。とにかく、すごい人数で生活している。でも、きれいなアパートだし、部屋数が多いので、親戚一同大人数で住むのはモルディブでは普通だ。

娘はすっかり楽しんで長居してお昼ごはんまでいただいてしまった。
とても一般的なモルディブのごはん。バンブケヨ(パンの実)を一緒に炊き込んだごはん、ガルディア(カツオを塩だけで煮た潮汁)、じゃがいものカレー、そして好みで生の唐辛子をかじる。私はバンブケヨが大好きなので、このごはんがすごくおいしい!ちょうど日本の栗ごはんみたいに混ぜて炊いてあって、でも栗よりもねっとりとサトイモみたいにやわらかい感じ。そしてガルディアはシンプルな塩味なのでこれも日本人好みだし、カレーも辛くなくてとってもおいしかった。子供たちもガルディアをごはんに混ぜたらすっごい食べた!周りのみんながビックリするくらいたくさん食べた。不思議なのだけど、モルディブの普通の家で炊くごはんはちょっと大粒のふっくらしっとりしたごはんなのに、レストランとか外で食べるとあの細長いパラパラのバスマティライスばかりで、私たちはバスマティライスに飽き飽きしていた。娘も「このごはんがおいしい~」と言っていっぱい食べた。

なぜこのおいしい方のお米をレストランで使わないのか不思議に思っていたら、ロビちゃんが「モルディブではみんなバスマティライスの方が質が上だと思ってるから、外ではそっちを食べたがるんだよ」とのこと。ふ~ん、ところ変わると考え方も変わるのねえ。もちろん、このふっくらライスも日本のごはんと比べたら全然違うのだけど、それでもあのパラパラよりは私たちは食べられる。それに、やっぱり家庭料理に飢えてきているのよね。ホテル暮らしでこうも毎日レストランで食べていると、本当に飽きてくる。しかもモルディブの食生活はバラエティが少ないのでレストランのメニューもどこも似たりよったりであっという間に食べたいものがなくなるのだ。定番のモルディブ料理でも、こうやって家庭で作ったごはんはやっぱりおいしいねえ。私もすっごいお腹がすいていたし(こっちは食べる時間が遅いから)、おいしくてバクバク食べてしまった。全然辛くないのもうれしかった。他の人はすっごい辛いペーストを混ぜたり唐辛子をかじったりしていたけどね。

息子は来月3歳なのでまだまだ難しく、もう一人の同じ年頃の男の子とも遊べない。もちろん女の子たちとも遊べない。私にまとわりついてぐずぐず、ママ~おうち帰ろう~ばかりを連発。でも娘は楽しいので「ぼく、お願いだからもっといさせて」と言って夢中になっている。日本を出てからなかなかお友達とこうやって遊ぶ機会がなかったので、私はとってもうれしかった。こうやって娘もディベヒ語を覚えていくんじゃないだろうか。

するとジャッラが、「自分がいてもいなくても、いつでも好きなときに遊びに来ていいよ」とまるで私の気持ちを見透かしたように言った。「今日学校終わりで明日からお休みだから、学校もないしちょうどいいから毎日一時間でもいいから来れば」と言う。実は、次の学期が始まるまで一週間のお休みがあって、幼稚園に行くのが楽しい娘を毎日どうしようかと考えていたところなのだ。行くところがないのとあるのとではずいぶん違う。「ほんと?そんなこと言うとほんとに来ちゃうよ?」「いいよ、連れておいで。ヒロコもディベヒの勉強になるだろうし」。そう、実はジャッラのお母さん(私の母よりちょっと若いくらい)にめっちゃめちゃディベヒで話しかけられていたのだ!半分くらいしかわからなくて結構固まってしまった。ジャッラの奥さんには英語で話しかけてみたんだけど、わかってはいるみたいだけど返事は返ってこない。やっぱりしゃべる方が難しいよね。

昨日は結局ダラダラと4時間以上も(!)お邪魔していて、また明日行く約束をした。
まあ、一番いいのは、娘が楽しそうなこと。息子がぐずぐずするのもしょうがない。息子も少しソーシャルライフに慣れてもらわないとね。

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連想ゲーム

突然娘が聞いた。
「ねえママ、日本で見たテレビで、でんでんでんってのあったじゃない?あれなんだっけ」
「でんでんでん?マンガ?」
「ううん、にんげん」
「人間ねえ・・・あっわかった、ディズニーチャンネルのドラマだ?」
「ちがうよ~。あのね、でんでんでんでん、ゆでゆで、っていうの」
「ゆでゆで???」
私はしばし考え込んだ。でんでんでんゆでゆで・・・???
「ほらあ、ママ、男の子が二人でやるやつだよ~。メガネの男の子」
「メガネ・・・???あっ!」
やっとわかった。武勇伝でした。
「もうひとりはおヒゲだったでしょ」
メガネとヒゲって・・・子供の印象ってそんなもんなのね。
ゆでゆで。

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娘の誕生日

5月末に娘の誕生日があった。

今まで日本では、娘の食べたいケーキを買って家族みんなで食べる、という簡単な誕生日だったけど、こっちではどうしようか・・・と悩んでしまった。娘はこちらに来て幼稚園のお友達を招いてパーティーをしたいとずっと言っていた。でも、幼稚園は3ヶ月もお休みしちゃって、私は誰の子の連絡先も知らないし、招くような家もないのだ。今はホテル(しかもマーレの普通のホテルなので全然豪華でもないし誰かが来てくれたところで座る場所もない)。おうちにちゃんと引越ししてからパーティをやろうよ、と娘と話合い、誕生日当日はプレゼントと丸いケーキを買うことで納得してくれた。丸いケーキはいつも子供たちが欲しがるんだけど、大きすぎるから買えないよ、となかなか買ってもらえないもののひとつなのだ。マーレにある唯一ちゃんとしたケーキを売っているベーカリーで買うことにして、さてどうしようか・・・とロビちゃんと考えた。

まず、最近よく遊びにきてくれているこちらに来て友達になったYさんにも来てもらって、一緒にケーキを食べようか・・・。それなら、もう一人いる以前からの友人のKちゃんも呼ぼう・・・。娘はいとこの女の子にも来てほしいと言っている。でもその子を呼ぶとなるともうひとりマーレにいる娘のいとこの女の子を呼ばないわけにはいかない・・・。そしてその女の子は親戚の家に住んでいるのでその親戚の子達も来るに違いない・・・。と、だんだん人数が膨らんでいくことに!

とにかく親戚の多いモルディブ、ロビちゃんだけだって、兄弟姉妹全員で7人いるのだ。そしてうちの子供たちのいとこたちだけではなくロビちゃんの兄弟やいとこも入れるとすごい数になってくる。そして、「この人を呼んだらこの人を呼ばないわけにはいかない」という図式がもちろんあるので(だって呼ばれなかったら誰でもなんで?って思うよね)、結局一人を呼ぶには全員を、ということになってきた。ロビちゃんと考えた挙句、どこかでケーキ持込みでお茶できそうなレストランを探そうということになった。これが誕生日前日。ってか、何でもギリギリすぎ?

娘はいつもごはんを食べに行っているホテルから近いレストランがいいと言っていたのだけど、そこはちょっと小さいのでそんなにいっぱい来たら貸切みたいになってしまって貸切料金を取られるかもしれないし・・・。と、ロビちゃんが違うレストランに聞きに行ってくれた。幸い、一人いくら、でパーティー会場として貸してくれるレストランが近所に見つかった。そこは別のホテルの上の階できれいだし、一人の値段もそんなに高くない。で、ソフトドリンクとスナック(ヘディカというこちらの簡単な食べ物)やサンドウィッチを出してくれるそうだ。良かった良かった。

当日、行ってみるとちゃんと天井からはたくさんの風船がぶら下がり、壁にはHappy Birthdayと娘の名前も書いてあった。デコレーションまでしてあって娘は大喜び。集まった人数は最初想定していたよりは少なかったけど、みんなに来てもらって(いとこの家のおばちゃんまで来てくれた)、娘はプレゼントももらってすごくうれしそう。あんまり娘にばっかりプレゼントが渡されるので息子はちょっと泣きべそだったけど、プレゼントの中のミニビリヤードゲームを貸してもらったらそれで大満足。親が思っていたよりも豪勢な誕生日パーティーになった。日本でもこんなのしたことなかったのにねえ。

でも、娘もこれで5歳。もう産んでから5年も経ったのかと思うととっても早く思える。しかも女の子の5歳ってませててすっかり大人の口調で私はしょっちゅうタジタジなのだ。大きくなったねえ。

その日、ロビちゃんのお兄さんがたまたま仕事で船に乗っていて船のエンジンが壊れて隣の島で足止めを食らってしまい、一番最後に遅れてやってきたので、お兄さんは娘に「後でプレゼントあげるからね」と気を使ってくれた。そして昨日、お兄さんは娘だけを連れて買い物に行くと言って出かけた。娘はとてもうれしそう。帰ってきたらなんと、ドレスにその下にはくスパッツにサンダルまで!三点セットで買ってもらってきた。なんでもお兄さんに聞いたら「お店に入って好きなもの選んでって言って全部買った」のだそうだ。ま~たそんなプリティ・ウーマンみたいなことを~。ほんとにすんません。でもありがとうね。たとえば娘がサンダルを欲しいと言っても、私だと「今たくさん持ってるからいらないでしょ」と言って買わないので、きっとそういうことは関係なく好きなものを買ってもらったのがうれしかったのだと思う。まあ、一年に一度の誕生日だし、その日くらい甘やかしてもらってもいいのかもね。

そして6月に突入いたしましたが・・・さて、私たちはいつ入居できるのでしょうか~・・・。

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雨の日

今日は朝からず~っと雨だった。
マーレでは雨が降ってもザ~っと降ってちょっとしたら止むってことが多いんだけど、今日は朝起きたときから寝るまでず~~~っと降っていた。びっくりした。
全体的にしとしと降っていて、たまにザ~っと強くなったりしてなんだか日本の梅雨みたい。

私は個人的にはモルディブの雨は涼しくなるので好きなんだけど、子供がいるとまた話が変わってくる。
雨に降られてしまうともう外に出られないのだ。

自分ひとりなら傘さして全然問題はないんだけど、子供が二人いると身動き取れない。
子供一人でもなんとかなるかな、とも思う。日本にいた頃はベビーカーに雨よけのビニールカバーをかぶせて動いていたっけ。ちょっと大きくなったらレインコートを着せて歩いた。子供が二人になってからは雨が降ったらもっぱら車で移動して屋根のある駐車場の場所(近所のジャスコとか)に行って遊んだりしていた。まあ、雨が降っても行ける場所があるってのはいいことだった。

しかしマーレではタクシーなので雨が降ってもタクシーの乗り降りが大変。その上タクシーを捕まえるまで歩道で通り行くタクシーに手を挙げ続けるかと思うとそれもまたちょっとなあと思う。じゃあ歩くかというと、水はけが悪いのであちこちが水溜りになっているし、道路が狭いので車もバイクもスレスレでただでさえ子供の手をつないで歩くのは大変なのに、雨となるとさらに難易度倍!しかも建物の上の方からボタボタ水が垂れてきたりするので雨だけじゃなくてそういう水でもびしょびしょになってしまう。どうにもこうにも困る。

でも、さすがに丸一日ホテルの一室の中にいて今日は子供たち二人ともさすがに飽きてしまった。
部屋のベッドの上でピョンピョンはねたりするのもいつもは私に怒られるのに(ほこりが出るから)今日はちょっと大目にみていたら楽しそうにしていたけど、とうとう「ママ~今日すごくつまんないよ~!傘買ってどっか行こうよ~」となってしまった。まあ、確かに自分でも一日部屋(家)の中にいるのは好きじゃないので濡れるの覚悟で出かけてみた。

ホテルのすぐ目の前の小さいお店に入って子供用の傘を二本買って、裏のスーパーまで散歩に行った。
二人は新しい傘に大喜び。私は節約節約、と思って傘は買わなかったのでもちろん濡れた。傘は日本から持ってきた折り畳み傘がダンボールの箱に入ったままなのだ。もう一本買うなんてもったいない。それなら今日は濡れて歩こうホトトギス。

特別なものを買うでもなく、食パンと牛乳とカリフラワーを買った。うちの子供たちは牛乳を飲むのが大好きであっという間に1本飲んでしまう。毎日小さいお店で牛乳を買っているのでなんだか「レオン」を思い出した。そういえばレオンも毎日牛乳買って飲んでたなあ。カリフラワーはお茶を飲むために買った湯沸しポットでお湯を沸騰させてゆでてみた。ちょっと固めだけどちゃんとゆでられたので今日の夜ごはんにおいしくいただいた。マーレで外食ばかりだとすごく野菜不足になってしまうのよね。

そして今日は一日テレビばかり見ていた。

夜映画チャンネルの「スタームービー」でケビン・コスナーのコーストガードの映画をやっていたのでなんとなくそれを見ていた。途中から見たので題名がわからなかったんだけど、なんか・・・ものすごく「海猿」でビックリした。宣伝は見たことがあったので映画の存在は知っていたけど、見たのは初めてだった。でも、「海猿」が当たったからねえ・・・なんて思っていたけど、内容があんまりそっくりなんで本当に驚いた。ハリウッド、そんなことでいいのか???と思ったくらい。まあ、「マトリックス」だって思いっきり「ビューティフル・ドリーマー」と「甲殻機動隊」だったし、今更ハリウッドのアイディア不足には驚かないつもりだったんだけど・・・。日本でロビちゃんも私と一緒に「海猿」を見ていたので、「これって海猿の前?後?おんなじだねえ」と見入り、クライマックスで船の中のドアが閉まって閉じ込められるのを見て二人で爆笑!「あ~絶対このドア閉まっちゃうよ!あ~~!」「ガッシャーン!」「やっぱり!」。「海猿」でもドア閉まってたもんねえ。そして、最後はちょっと「バックドラフト」も入ってたね。衰えゆくハリウッド・・・。

ここのホテルのロビーに置いてあった雑誌にも「Manga conquers Ameica」(アメリカを支配したマンガ)という特集を組んでいるのがあって、とてもおもしろく読ませていただいた。日本のマンガ、アニメが今どれだけ世界で旋風を巻き起こしているか、アメコミという分野があったのにもかかわらずすっかり日本のマンガに乗っ取られたアメリカの現状や日本のマンガの歴史や文化としての浸透の仕方などがそれは詳しく書いてあってとてもすばらしい。本の売り上げから見た経済的な貢献や、裏焼きをやめて日本風に左開きの本のまま売り出してから飛躍的に売り上げが伸びたことなどがとってもおもしろかった。どれだけ世界的にすごいかというと、この物のないマーレですら!なんと小さな本屋さんで英語版の「のだめ」を売っているのを見つけたくらいなのだ!多分マーレの人たちには「*巻」という考え方があまり身近じゃないだろうと思われるのだけど、適当に2巻とか4巻とか全然そろってはいないんだけど、それでもマーレにあるということがスゴイ!私がリゾートで働いていた頃なんてブックストアという名前のお店でも大抵は文房具屋さんで、英語のかなりミリオンセラーもののペーパーバックが数冊あるだけだったのだ!それがたった5~6年で日本のマンガを売っているなんて・・・。その勢いが見える気がするよね。

話はずいぶん飛んじゃったけど、なんだか「海猿」がとってもなつかしく思い出されて久しぶりに見たいなあ~と思ったのでした。
「海猿」の一番最初の映画で料理屋さんの水槽に入って根競べ勝負をしてパンツの中にエビが入ってしまうシーンが娘は大好きで、何度もツタヤで「ママ、海猿見たい!」と言って借りたのに、今日私が「海猿みたいだねえ」と言ったら娘は「うみざるってなに?」と覚えていなかったので、それもまたたまげてしまった。あんなに好きだったのに~?そう、子供は新しいことをどんどん覚えるかわりに、日常から消えたものはさっさと消去してしまうのだ!これは日本を離れてみて実感したことなんだけど、たとえばあんなに好きだった「おっぱっぴー」も日本から離れたらあっという間に忘れてしまって驚いた。毎日テレビで繰り返し見せられたりしないとデリートされてしまうんだねえ・・・。これで私がこっちに来てからロビちゃんと英語でしゃべったりしたら・・・日本語もあっという間に忘れちゃうのかも・・・と思うとこわ~!やっぱり私が日本語キープしないとね!

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なんだかな~

娘が通っている幼稚園、こちらでは普通にスクールと呼んでいるのだけど、この幼稚園の先生から「家で英語を教えてください」と言われてしまった。なんでも、クラスの中でうちの娘一人だけわかっていないと言うのだそうだ。

でも正直な話、そんなことを言われてもまだ始まったばかりなのに、と私は思ってしまった。
他の子供たちは2歳半からベイビーナーサリーのクラスに入って、今じゃあもう2年目である。そして、うちの娘は今年の一月から入学したものの、途中スリランカに三ヶ月も行ってしまったので、正味通ったのはまだ二ヶ月にもならない。日本でも幼稚園は三年保育でスタートさせなかったので通っていなかった。モルディブに引っ越すことを決めていたので、中途半端に日本でお友達と別れるより、「幼稚園(学校)はモルディブでスタート」と区切った方が本人にも良いかなと思ったのだ。だから、他の子に比べて英語ができないと言われても「そりゃ今の段階じゃあそうよね」としか私は思わなかった。もちろん、ディベヒ語ならなおさらだ。うちは日本語を覚えておいてほしいために、家の中では日本語で通している。ロビちゃんだって子供たちと私とは日本語で話している。だから、ディベヒ語も学校で友達ができてから覚えればいいやと思っていたのだ。

でも、まさか通って数ヶ月で「できない子」と言われるとは思わなかった。
モルディブではみんな教育熱心で、大体二歳くらいからみんなディベヒ語を教え始める。そしてほとんどの家庭ではディベヒ語の読み書きを教えるのと同時にアラビア語の読み書きもスタートする。もちろん、コーランをアラビア語で読むためで、「そんな最初っから」とか全く考えることはない。まあ、小さい頃からアラビア語の読み書きを習うので語学が得意なモルディブ人が多いという説も聞く。確かに、勉強して無駄になることってないよね。でも、アラビア語はコーランを読んで謳うために勉強するので、意味がわかっている人はほとんどいない。つまり、アラビア語がしゃべれるようになっているわけではないので、アラビア語がしゃべれるモルディブ人もほとんどいないのだ。み~んなアラビア語で読めるのにね。

そして、うちはそこに日本語が加わるわけで、実際スリランカにいた三ヶ月の間で娘はひらがなをマスターした。ひらがなのルビがふってあるので、だんだんカタカナも読めるようになってきた。それだけで私はこの三ヶ月大満足だった。なのに、まさか学校に復帰して早々先生から「できない」と言われるとは思ってもみなかった。

まあ、学校の先生にしてみれば、ひらがなができるようになったことは目に見えない部分なんだよね。どんなに日本語が上達しても、学校では使うときはない。先生には見えないのだ。

でも、学校の(特に幼稚部の)先生なんだから、毎年何人も子供と接してきていて、小さい子供のうちが一番個人差が大きいことくらいわかんないのかなあ~とちょっと不思議に思ってしまった。ロビちゃんも「モルディブでは四歳にもなったらみんなアルファベットくらい読めるし書けるからね」と言うけれど、うちは四歳まで日本で育っているわけだし、みんながそうだからってうちもそうだというのもおかしい。それに、私はどちらかというと日本語教育の方を心配している。「漢字が難しくてついていけなくて日本語がキライになっちゃった」「複雑な言語で勉強しても独特であきらめた」という話をいっぱい聞いているので、自分の子供たちには日本語はあきらめてほしくないと思って一所懸命日本語環境を作っているのだ。英語ならシンプルな言語の部類だし、世界中のみんなが大きくなってからでも英語を勉強してできるようになっている人がたくさんいる。絶対英語はできるようになると思うのでまったく心配していないのが私の正直な意見だ。それでなくても自分がアメリカに行ったのが19歳だったけど、高校から留学してネイティブになっていた子もいたし、英語の方が楽になってしまった日本人なんて何人もいた。一緒に留学してそのままアメリカに住んで年々日本語が変になっていく友達もいた。英語は絶対心配ない。

そして、もうひとつ気になったのは、先生は直接私には何も言わないことだ。今回の話も私には一言もなかった。ロビちゃんか、ロビちゃんの従弟の奥さんが娘のクラスの先生の友達なので、先生はその奥さんに言うのだ。ロビちゃんの従弟の奥さんだよ!?で、私には言わない。何でも、その奥さんに「お母さんには直接言えない」と言って相談しているのだそうだ。な~んで言えないんだよ?と不思議なんですが、外人だからでしょうか。以前リゾートで働いていたときも、モルディブ人女性の同僚は私に直接言わずにロビちゃんに「あなたの奥さんは」と文句を言う人が多々いた(結婚したのにTシャツを着ないでタンクトップで肩を出している!とか)。「なんで私に言わないの?」と私が面と向かって言ったら、「だんなさんに言えば同じでしょ」とケロッとしていて驚いたことがある。女性なのに女性の人権無視?って思ったけど、まさか子供の学校の先生にまで同じようにされるとは思わなかったのでちょっとショックなのだ。先生が父母に言えないでどうするのよ~?

しかもその先生と友達であるロビちゃんの従弟の奥さんとで「毎日夕方くらいに奥さんの家に娘を遊びに行かせて奥さんの娘と一緒に過ごしたらディベヒを覚えるでしょう」と勝手に計画を立てていたので驚いた。第一、そこの娘さんってまだ二歳だから、うちの娘は物足りなくてそんなに遊べないし二歳の子に習うディベヒってのも変でしょう。確かにその奥さんがディベヒ語でいっぱい話しかけて遊んでくれるっていうのなら勉強になるかな~とも思うけど、自分の子の方が小さいのに人の子なんてつきっきりで面倒見られないだろうし、大体私抜きで話が進んでいるってのがちょっと頭にきてしまった。そしてもうひとつ「なにそれ~」と思ったのが、先生がその奥さんに「お母さんもお父さんも英語話せるのに子供に教えないのが理解できない」と言っているそうなのだ。私たちは「英語を教えない」つもりではなくて「日本語を最優先」させているだけなのだ。英語だって日本の外に住むのなら絶対できた方がいい。そんなの私たちが一番よくわかっているし、でもだからこそ日本語と英語を両方習得するにはきちんと母国語という基礎を作っておきたいと思っているからなのだ。英語だけでいいんならこんなに簡単なことはない。でも、英語は私にとってもロビちゃんにとっても第二外国語だから母国語にするには不向きだと思ったし、ロビちゃんも「絶対日本語は役に立つからできた方がいい」と考えているので、二人で日本語を母国語に、と決めたわけだ。

子供は住んでいる場所の言葉は絶対覚えるから、この国に住む限りディベヒ語の心配も私はしていない。英語も学校でやればいいと思っていた。私の使命は、日本語だ!と考えていたのに~。ん?まてよ?だから先生は私には話せないのかな?もしかして話しても私が聞く耳持たないとわかってたのかしら・・・?

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