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SAFF

今月、SAFFというものが開催されていた。南アジアサッカートーナメントって感じだろうか。
出場国はモルディブ、スリランカ、インド、ネパール、パキスタンなどなど、全部で何カ国あったのか私はよくわからないんだけど・・・。これが、大盛り上がりだった。ひとつの理由はわりとたくさんのゲームがマーレのスタジアムで行われたこと。多分他のいろんなトーナメントと同じように出場国中のあちこちで場所提供を順番にしていて、今年はたまたまマーレの番だったんだと思う。もう、この試合を見たいがために、みんなチケット売り場に殺到することになった。チケットが売り出された日はチケット売り場があるメインストリートのマジーディーマグは交通規制。警官がたくさんいる中、真昼間から大行列で、ずら~~~っと人が並んでいた。そのチケット売り場の近くが歩行者天国みたいになっていたので、私は子供二人を連れてのんきに散歩などした。

もちろん、みんなが見たいのはモルディブ戦。ロビちゃんもお兄さんがチケットを買ってくれて、結構最初の方から見に行っていた。毎日昼間はホテル予定のビルに行って掃除をしたり、組み立て家具を作ったり、荷物の搬入なんかをしていてストレス満載のロビちゃんはこのサッカー観戦でストレス発散!もう、本当に楽しいらしい。私はサッカーはまったく興味がないので全然わかんないんだけど。

あまりの熱狂ぶりに、ダフ屋が出て、オリジナルで35ルフィヤのチケットが500ルフィヤで売れたとか1000ルフィヤで売れたとか。モルディブvsパキスタン戦では道端で「チケットない?」とロビちゃんもパキスタン人に声をかけられたそうだ。そう、応援の人もたくさん来ていた。マーレは選手陣、応援陣が集まってホテルは軒並み満室状態。どこのホテルも空きがなくてみんな寝る場所を確保するのに四苦八苦なのだそうで、もうそれを聞いてああ~こんな時期に私たちもホテルをオープンしていたかったなあ~と私はそっちの方が悔しかった。特に、マーレの老舗ホテル、ナサンドラが営業を止め、閉めてしまったのでその分のお客さんもみんな他に回っているのだ。う~ん、早くオープンしたい~。私のそんな思惑とは関係なく、ロビちゃんはビルから仕事を終えて戻ってくるとシャワーを浴びて急いでサッカーを見にスタジアムへと走って行く日が続いた。試合は大体2日おきくらいにやっていたかな。

さてさて、モルディブのチームはいかがなものかというと、実はそんなに強くはない。なので、ロビちゃんのみんながうちの息子を日本でサッカー選手に育てろと言うくらいあんまり強くはない。日本で良いサッカー選手に育ててもいいけど、それで日本チームで出ちゃったらどうなのよ?と思うが、みんなは日本でサッカーをやれば有名なJリーガーのように強くなると思っているらしい。あのJリーガーの下にどれだけの2軍3軍の人たちがいることか!根本的な人口の差をわかってないな。

ところがである。今年はなんだかモルディブチームが強い。あれよあれよと勝ち進み、なんとセミファイナルでスリランカに勝ってしまった。その日の夜、私は子供たちを寝かせてからメールをチェックしに自転車でレストランへと走っていたのだけど、どこもかしこも大歓声。みんなまだ興奮さめやらず、叫びながらトラックの荷台に乗ったりバイクに二人乗りしてマーレの中を走り回っている。そして、スリランカ航空のオフィスに人だかりが!そう、それまでの試合はマーレで行われていたんだけど、セミファイナルとファイナルはスリランカで開催されるのだ。セミファイナルの対スリランカ戦で勝ったので、みんなファイナルの試合をスリランカまで行って見ようと、飛行機のチケットを買いに殺到したのだ。みんな、お金あるなあ!

ロビちゃんの友人、ジャッラもすぐに「スリランカに応援に行こう!」と電話をかけてきたらしいのだけど、ロビちゃんは「今こんな仮住まい状態で僕だけスリランカにサッカー見になんて行ったら奥さん(私)が怒るから」と断ったのだそうだ。はい、もちろん怒りますよーそんなの行ったら!サッカー見るだけじゃないか~!しかして、勝てば優勝、負けても準優勝の今回はみんな見逃すわけにはいかないらしい。とってもたくさんのモルディブ人がスリランカへと飛んで行った。

そしてファイナルの日。試合は夜なので、夜に向けて着々と準備が進められていた。あちこちの広場やビーチで大きなスクリーンを設置し、椅子もコンサート並みに用意して野外観戦場がたくさんできあがった。それらには全部スポンサーがついている。マーレの主要な会社はみんなスポンサーになっていて、どこかしらに場所を提供していた。普段イベントの少ないマーレ、もちろん私たちも家族でおでかけ。今借りているアパートから一番近い、ビーチの特設会場で見ることに。試合が始まってからのんびり歩いて行ったので、もうみんな大興奮状態。みんなモルディブの旗を手に持って振っているので子供たちは旗が欲しいとか言い出したので、後から合流したロビちゃんのお兄さんに旗を持って来てもらった。子供たちも旗を振って大喜び。でも試合はそんなに短くはないので子供たちはすぐに飽きてしまった。第一、大の大人が立って大騒ぎなので子供たちは見えないのだ。0-0のままハーフタイムになると、応援歌をかけてみんな踊りだした。子供たちも踊る踊る。なんかもうめちゃくちゃなので、私は子供たちを連れて一足先にアパートに戻ることにした。ロビちゃんはもちろん最後まで観戦。

アパートに戻ってさて、寝る準備。だって次の日は学校の新学期なのだ。息子は特に記念すべき第一日。初日に遅刻したら大変だし、私も朝写真とか撮りたいしね。ゆっくり余裕を持って支度したいので、「明日からスクールだよ、楽しみだね」と子供たちに話してシャワーを浴びて歯を磨き、ベッドに入った。寝かしつけていると外の声が聞こえてくる。ギャワ~~~!!!う~ん、点が入ったのかなあ。キャ~~~っ!!!シュートがゴールポストにぶつかって入らなかったとかかなあ。なんて勝手に想像しながらとりあえず二人を寝かせた。

そして二人が寝てしばらくした頃に、ロビちゃんが戻ってきた。
「どうだったの?」
するとロビちゃん、目をまん丸にしてにこりともせずに一言。
「・・・勝ったよ・・・」
そう、モルディブは優勝してしまったのだ!

ファイナルはモルディブvsインド戦。話によるとレフェリーがひどく不公平でモルディブには厳しく、胸でボールを受けてもハンドを取ったりするのにインドが何してもペナルティを取らないのだそうだ。私はサッカーのことがほんとにわからないのでなんて言っていいかわからないんだけど、とにかく頭にくるほどあからさまにモルディブには勝たせたくなかったらしい。誰がどう見てもアンフェアなジャッジだったそうだ。それでも、いや、そんな中で勝ったんだから、私はかえってすごいと思った。ペナルティを取られ、逆にPKはもらえず、それでも勝った今年の強さ・・・それは、ひとり、きらりと光る選手がいるからなのだそうだ。彼は「ダガンディ(鉄)」という愛称で呼ばれている選手で、とにかくアシストというか、チームの引っ張り方がうまいのだそうだ。このインド戦でもシュートしたのは違う選手だけど、彼が非常に上手にシュートしやすい状況を作るらしいのだ。

そんなダガンディなので、もちろんマークされていて、相手はペナルティ覚悟で彼一人を狙って暴力行為に出ていたらしい。一人は思いっきり彼の顔に肘鉄を入れ、ダガンディは顔が切れてしまったのだけど相手はペナルティも取られなかったそうなのだ。う~んひどい。とにかくムードメーカーの彼をみんながつぶしにかかり、殴る蹴るの目に余る試合だったらしい。それでも彼は欠場せずに走り、もう一人がロングシュートを決めて、それがきれいにゴールに入った。私は後からニュースで見たんだけどね。すごいスピードのロングシュートで、キーパーの横を見事に抜けてゴールに入ったのが試合が終わる2分前。モルディブ人の大興奮ぶり、みなさんも想像できますよね。

ダガンディはMVPに選ばれ、モルディブは開催されてから17年目に、初めての優勝を手にした。
そして、興奮はまだまだ続く。

なんと、次の日が祝日になってしまったのだ!学校もオフィスも官庁も全部お休み!ええ~~!?新学期、って張り切ってたのに!まだテレビがなかったので朝のニュースで今日はお休みです、って言ったらしいんだけど、私たちは知らなかったのだ。ロビちゃんの弟に電話して(いつも娘をバイクで学校まで送ってくれるから)初めて知った。もう、学校行っちゃうところだったよ!ていうか、お休みって・・・まあ、いいけどさ。

そして、昼間からみんな外を走り回るようになった。マーレ中のトラックが荷台に人とスピーカーを乗せて走っている。バイクもハンドルに旗を何本も付け、ひらひらとはためかせて走っている。モルディブの国旗は赤い四角の縁取りの中が緑色で、真ん中に白く薄い三日月が浮かんでいる。そして選手のユニフォームが赤だったので、もうマーレ中の人が赤い服を着ているのだ。もちろん、ユニフォーム風のTシャツを着ている人もいる。日本でもJリーグのユニフォームもどきってたくさん売ってるもんね。マーレの洋服屋さんはみんなショーウィンドウーのマネキンやディスプレイに赤い服を飾り、赤い服が売れに売れた。赤いTシャツ、ブラウス、スカート、子供服、帽子、とにかくみんな赤一色!赤いカチューシャの女の子や赤いアフロヅラをかぶっている人、自毛を赤と緑と白に染めちゃった人、フェイスペインティングももちろん赤と緑と白、とにかくみんないっちゃってる!でもまだこれはほんの序の口・・・。次の日には、選手がスリランカから戻ってくるのだ!

次の日、選手が飛行機で戻ってくるのは4時過ぎ頃。マーレは朝から浮つき状態。町中のいたるところに国旗、国旗、国旗。窓からも壁にもベランダにもマーレ中の家が国旗を飾っている。この国旗も何万本も売れたらしい。大・中・少・ミニ、サイズは多々あるけれど、どこの家もどの車もバイクも旗を付けている。もう、サッカーで優勝したことによる経済効果がすごいと思う。こっちのテイラーはガラス窓で中が見えるようになっていてみんな座ってミシンを踏んでいるのだけど、どこのテイラーもこの数日間は旗を縫っていた!雑貨屋さんで旗を3ルフィヤで勝って道端で10ルフィヤで売ってる人もいた!それくらい町中旗で埋め尽くされた。ドーニ(船)もびっしり旗が付いていてちょっと日本の大漁旗みたい。会社の壁も官庁の壁も旗や赤と緑の布地で飾られ、赤と緑の風船もあちこちに並び、道路わきにも等間隔で大きな国旗がずら~~~っ。きっと、今日だけマーレ観光している人はこの国はいつもこうなのかと思っちゃうよねえ。それくらい、徹底したウエルカムムードができあがっていた。優勝した瞬間は野外観戦場の近くのカフェやレストランはみんなフリードリンクやフリーフードを配っていたし、赤い服や靴の売り上げもすごいし、とにかく経済効果がものすごい。これがダガンディ(ひとりだけとは言わないけど)の効果かと思うと、個人の力もすごいもんだなあと関心してしまった。とにかくそれくらい、今まで見たことのないマーレになっていた。

さあ、待ちに待った選手の帰国。私たちも船が到着する公園前のジェティまで出かけて行った。タクシーに乗って行ったんだけど、途中から交通止めになってて歩くことになった。選手が到着するところは規制してあるんだけど、それ以外のところも応援のトラックでいっぱいなのだ。マーレでトラックを持っている人たちがみんなトラックを出して荷台に赤く染まった人たちを乗せ、パレードに参加するのである。マーレは面積に対しての人口密度が世界一高い首都なのだけど、普段はあんまりそう感じない。これくらいなら渋谷のセンター街とか横浜駅近辺の方がよっぽどすごいよねえ、とよくロビちゃんと言っていたのだけど、この日はすごかった。多分、みんな外に出ていたに違いない。ということはいつもは外に出ない人がいっぱいいるってことなんだろうけど、とにかくおじいちゃんもおばあちゃんも子供も大人もみ~んな集まっていてもんのすごい人なのだ。本当に、こんなマーレは初めて見た。選手が通ることになっているところはきれいに布で飾られ、高い位置にテレビクルーがカメラとともにスタンバイ。どれくらい待っただろうか、やっとこさ、選手を乗せた船が海の向こうからやってきた。

モルディブは小さな島ばかりなので、一個ずつ島で分かれている。首都の島マーレと、空港は離れている。空港は空港だけでひとつの島なのだ。大体ドーニ(船)で15分くらいで、いつもはマーレ&空港間のドーニが定期的に出ているんだけど、この日はなんと大統領が専用船で空港まで迎えに行き、選手たちその船でマーレに戻ってきたのだ。段々近づいてくるでっかい豪華な船は赤と緑と白の布で全部を縁取られ、中にはVIPのようなワインレッドの布を張ってあるふかふかした肘つきの椅子が並べられてあり、そこに選手が座っている。風に旗をなびかせながら船がゆっくり近づいてくるごとに歓声が大きくなり、桟橋に横付けにされると地響きのようなみんなの声が!でも人、人、人で選手なんて全然見えない。

船が着いてから選手たちは用意されていた見晴らし台みたいなのがついたパレード用の車に乗って位置が高くなり、やっと姿が見えた!みんな黒のスーツをビシっと着ていてとても素敵だ。娘も選手を見て「ママ、みんなおしゃれしてきたんだね。かっこいいねえ」とうっとり。大音量で応援歌が流れる中、選手たちは優勝カップを高くかかげ、うれしそうに手を振っている。みんなは奇声を上げながらその車の後を追っかけている。迷子も続出していたので、私は娘を、ロビちゃんは息子をしっかり掴んで旗を振って叫んで歩いた。選手の車が見えなくなってからも、マーレ中のトラックがパレードを始めて道路は動けない状態に。シンガポール航空のトラックはシンガポールエアのフライトアテンダントお姉さんの立て看板も乗せ、荷台にあふれんばかりに乗っている人たちがシンガポールエアのキャンディをバラバラと投げて降らせているし、バンドが乗っかって演奏しながら進んでいるトラックもいた。ドラムセットが倒れないようにガムテープでぐるぐる巻きにしてあって、あれ後ではがしたらべとべとだよなあ~なんて私は思ったけど、ギターとベースとヴォーカルもそろって荷台で応援歌を生演奏している。トラックは次から次へと続いて途切れることがない。そしてその合間に頭が三色になった人が二人乗りで旗が何本も付いたバイクにまたがってイェ~イ!と走っていく。かなり大きい旗を両方のハンドルに縦に付け、前にも後ろにも小さい旗を何本も付けてそれらがパタパタとはためいて蛇行していく姿はまるで暴走族!

私も子供たちも手に国旗を持って振りながら叫んで歩き、とってもエンジョイした。子供がいるので私たちめがけてアメを投げてくれる人がたくさんいた。子供たちは最初びっくりしてしまっていたが、他の人たちがきゃ~っと楽しそうにアメを拾うのを見て私に「いいの?」という目をした。そんな、人が投げたお菓子を拾ったら普段なら怒られるもんねえ。今日はスペシャル、と思い「いいよ、拾ってごらん」と言うと、二人ともひとつずつ拾ってきた。「今日はもうおやつ食べたから明日食べようか」と言うと、娘は「うん、じゃあママ持ってて」と私に渡したが、息子は「ぼく、ぼくがもってる」と言って放さない。「いいよ、じゃあ持っててね」と言うと、「うん」と向こうを向いてじーーーっと手のひらの中のアメを見つめている。どうするかな~と思って黙って見ていると、おもむろにねじってある包み紙をくるくるとほどいて口の中にパクッ!あらら~2歳児は我慢できませんでした。「ぼく、食べちゃったの?」と聞くと、ちょっと慌てて言い訳っぽく「うん、あのね、あの、ぼくね、ちょっと、たべちゃったの」。アメは息子には結構大きく、口の中でもごもごしてちゃんと閉まってない口のはしっこから溶けたアメエキスのよだれがだら~ん。キャラメルキャンディだったのでべっとべと。でも普段食べさせてもらえないアメも食べられたし、大人が大騒ぎのパレードも紙吹雪も子供たちはとっても楽しんで良いお祭りになった。私は何がすごいと思ったって、あの全員がシラフだってことかなあ。ここはアルコール類禁止だから、日本だったらみんなビールでも飲みながらだろうけど、こちらはあれだけハイテンションでもみんなシラフってことなのだ。それがすごいよねえ。

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コメント

優勝か~凄いね!
一人良い選手が出ると回りも引っ張られて全体のLVがあがるよね( ´∀`)
日本も中田のお陰で劇的に強くなったし( ̄ー ̄)ニヤリ☆
でも、そんなお祭り騒ぎのマーレをちょっと見てみたいなw
しっかしアジアの審判のLVは一向に上がる気配が無いな、、、
国際試合は第三国の審判が笛を吹く決まりがあるけど、スポンサーとか国同士の付き合いとか宗教とかで酷い偏りが出るんだよ(`ヘ´#) ムッキー
日本もそれでどんだけ苦労してるか!!

投稿: 青サラ | 2008年6月19日 (木) 11時39分

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